不動産の価格ってどうやって決まるの?不動産売買の基礎知識
不動産の適正な価格を知ることは、正しい取引をする上でとても重要です。
でも、そもそも不動産の価格って、どのようにして決められるのでしょうか?
一般の私たちが適正価格を把握するにはどのような方法があるのでしょうか?
土地の価格の種類
土地の価格には、「実勢価格」「公示価格」「基準地標準価格」「相続税評価額」「固定資産税評価額」など様々あります。
このうち「実勢価格」は、実際に売買された取引価格や周辺の取引事例等から導かれるものですが、
それ以外は、それぞれの目的や利用方法に応じて評価担当者(国土交通省・国税庁・市町村など)が各評価基準等に従って価格を算出しています。
価格の形成
不動産の価格は、基本的には「その建物を作るために要した費用」「周辺不動産の取引価格」「その不動産から今後得られるであろう収益(賃貸アパートなどの収益用不動産)」などを要因として決まってきます。
住宅性能に付加価値(耐震、省エネ、バリアフリーなど)がある場合には、価格に上乗せされることもあるでしょう。
また、中古建物の場合は、再調達原価(建物を再び調達する時の新築価格)に経過年数などを乗じるなどして価格を算定する方法もあります。
これに、「売急ぎ」や「買急ぎ」などの個別事情が反映されるわけですが、これらの個別事情が影響するのは特別な場合と考えて良いでしょう。
不動産業者に取引の仲介を依頼する場合は、これらの要因を考慮して販売価格を査定しますので、
通常の場合は市場価格からそんなに外れた価格を付けることはありません。
ですので、周囲の取引事例と比べてかなり安い価格の付いている物件の場合は何か価格を引き下げる要因があるものと考えた方が良いでしょう。
市場価格よりかなり安く物件を売却してしまったり、実際の価値に見合わない高い物件を購入してしまったりしないよう、その不動産の適正価格を知っておくことが大切です。
では、具体的にどのような方法で適正価格を知ることができるのでしょうか?
適正価格を知ろう
・「公示価格」「基準地標準価格」から推定する
一般に公表されている土地の価格として、「公示価格」「基準地標準価格」があります。
公示価格・・・国土交通省が全国に定めた地点(標準地)を対象に、毎年1月1日現在の価格を公示するもの。
基準地標準価格・・・都道府県知事が毎年7月1日現在の基準地の価格として発表する価格のことであり、公示価格を補完する役割を担っている。
国土交通省や都道府県のHPなどから閲覧することができますので、
近隣地域の公示価格や基準地標準価格と比較して、対象となる土地の価格を推定しましょう。
・周辺の取引事例や売出価格を参考にする
住宅情報誌やインターネット、新聞の折り込み広告などで、近隣の物件がいくらくらいの価格で取引されているのか調べてみましょう。
ただし、中古物件は売出価格をもとに、価格交渉をして最終的な取引価格が決定されることが多いため、
必ずしも売出価格と成約価格が一致しているとは限らないということに注意が必要です。
また、国土交通省は、実際に取引された事例のうち、取引価格を把握できたものを市町村ごとに公開しています。
国土交通省のホームページにアクセスして取引情報を閲覧してみましょう。
・不動産鑑定士に依頼する
不動産の適正価格を知りたい場合、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する方法があります。
不動産鑑定士は対象の不動産の周辺環境や、様々な条件を考慮して適正な価値を判定し、「鑑定評価書」として交付します。
ただし、鑑定には「鑑定評価報酬」が必要となります。
・不動産業者に査定してもらう
最も簡単な方法は不動産業者に価格査定をしてもらうか、インターネットの査定サイトを利用することでしょう。
不動産業者に価格査定を依頼した場合は評価額だけでなく、なぜそのような価格になったのか、
査定の理由についても確認しておくと良いでしょう。
新築住宅と中古住宅の価格
一般に建物は築年数の経過とともに価格が下がります。
また、同じような条件の新築住宅と中古住宅が同じような価格で売られていた場合、普通は新築物件を選びますよね。
ですので、中古住宅は同じような新築住宅とも比較して、価格が設定されることになります。
(新築住宅と中古住宅とでは適用される減税の特例や、受けられる融資の額や利率が異なる場合がありますので事前に調べておくことが大切です)
まとめ
不動産の価格がどのようにして決まるか、お解りいただけましたか?
不動産の売買は一生にそう経験することのない大きな取引です。
適正な価格を知って、不動産取引で失敗しないようにしましょう。