12月の風物詩イベント「冬至」とは?
冬至とは、(日本のある北半球で)一年でもっとも昼が短く夜が長い日のことであり、二十四節気の一つです。太陽の位置がもっとも低くなる日でもあります。毎年12月22日ごろが冬至です。
冬至という言葉はよく耳にしても、二十四節気は耳馴染みがないかもしれませんので、少し解説しましょう。
二十四節気とは、一年を24等分し(この等分の仕方は複数あります)、その分割点となる日に季節を表す名称をつけたものです。冬至以外にも夏至や春分、秋分、ニュース番組のお天気コーナーなどでたまに耳にする立春や啓蟄なども二十四節気の一つです。
古代中国では、冬至を一年の始まりとする時代もありました。干支の切り替わりとも言われています。また、太陽の力がもっとも弱い日なので、災厄に見舞われやすいと考えられたりもしました。
一方で、この日を境に日が長くなることから、陰気が極まって陽気に向かっていくことを意味する「一陽来復」とも呼ばれています。
冬至に食べたいもの古今東西をピックアップ!
一年で一番昼が短く、災厄を招きやすいと言われたり、逆に春と幸福に向かう日と言われたりする冬至。ここでは、そんな冬至にぴったりの食べ物をいくつかピックアップしてみました。
かぼちゃを食べる
冬の寒い中ホクホクのかぼちゃを食べるのは魅力ですよね。煮物にしてもいいですし、スープなどにアレンジしても美味しくいただけます。ビタミンも手軽に取ることができます。
しかし、冬至にかぼちゃを食べることを不思議に思う方もいるかも知れません。なぜなら、かぼちゃは夏の野菜だからです。しかし、かぼちゃは他の野菜に比べて保存性が高いことがポイントです。冷蔵技術などがない昔は冬に野菜が不足しました。その中で保存の効くかぼちゃを食べて冬を乗り切ろうとしていたと言われています。
冬至粥
小豆は中国の古い医学書にも記載されるほど、昔から効果効能が知られており、厄払いの食べ物として扱われてきました。そこで冬至の厄払いとして、冬至粥とも呼ばれる小豆粥を食べる風習があります。
実際に、小豆の栄養価は高く、高タンパクで食物繊維、ビタミン、カリウムや亜鉛などのミネラルも豊富な食材です。
冬の七草を食べる
正月に七草粥として食べる春の七草だけでなく、冬の七草も存在します。
冬の七草は南瓜(なんきん=かぼちゃ)、蓮根、人参、銀杏、金柑、寒天、うどん(うんどん)とされています。
ん?と思った方もいるかも知れません。明らかに草じゃないものもあります。諸説ありますが、これらは名前に「ん」が二つ付く食べ物で運をたくさん取り込む「運盛りの野菜」といわれています。冬至は陽気を取り戻す境だから、運も多く取り込んで盛り返そう、といったところでしょうか。
かぼちゃが冬至で食べられるようになったのも、実はこの冬の七草に南瓜(かぼちゃ)が入っていたことが、由来の一つとされています。
「と」の付く食べ物を食べる
先ほどの「運盛りの野菜」のように、日本人は何かと語呂合わせ好き。他にも、いろんな時期に縁起を担いで「〇〇の文字がついた食べ物」を食べる風習があります。夏の土用の丑の日には「う」のつく食べ物を食べる、などは有名ですね。
これにちなんで「冬至の『と』の付く食べ物」を選んで食べてみる、なんていうのはいかがでしょうか?
良質なタンパク質の「豆腐(とうふ)」、低カロリーだけどビタミンやカリウムを多く含む「冬瓜(とうがん)」、ヘルシーで鍋の名脇役「いとこんにゃく」などなど……皆さんも冬に美味しくて健康にもいい「と」の付く食べ物を、遊び感覚で楽しく探してみてはいかがでしょうか。
ゆず湯に入る
食べる訳ではありませんが、ゆず湯もよく知られていますよね。
「冬至にゆず湯」の風習は、江戸時代(天保年間)に刊行された書物にも登場します。
「冬至」は「湯治」とかけて、「ゆず」は「融通がきく(=体が丈夫)」とかけて、当時の風呂屋さんが始めたとされています。昔から日本人は語呂合わせが好きだったのかもしれませんね。
また、ゆず湯に入ると一年間風邪を引かないとも言われています。実は柚子の果皮には、血行改善を促すヘスペリジン(フラボノイド)が含まれており、体を温める効果があるといわれています。また、ビタミンC やクエン酸が含まれており、風邪予防や肌の保湿にもいいとされています。
語呂合わせだけでなく、昔の人は経験的に柚子が健康にいいことを知っていたのかもしれません。
まとめ
今回は、12月の風物詩である冬至とはどんな日なのか説明したのちに、冬至にまつわる食べ物とその楽しみ方について紹介してきました。
冬至のころは、寒さに加えて年末の忙しい季節。昔から伝わる知恵も活かしつつ、健康な身体で乗り切り、春を迎える準備をしていきましょう。
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