知らなかった!住まいにある”アレ”の名称と意味
意外に大活躍してくれている「巾木」
「巾木(はばき)」という言葉を耳にしたことがありますか。
巾木とは、壁と床が接触する部分に設置される建築部材のことです。掃除機をかけたり、子供が遊んだりしているときに、巾木の部分に頻繁に接触しますよね。
つまり、巾木がなかったら、あっという間に壁がボロボロになったり汚れたりしてしまうのです。
また、巾木を設置することで、壁と床に少しの隙間ができます。この隙間が緩衝剤となり、地震で壁や床が動いた際に力を逃すことができるのです。
巾木には天然木や成型材といった本物の木で作られたものと、塩化ビニルで作られたものとがあります。
仕上がりや価格、施工のしやすさなどでどの素材を使うのかは決めることができます。ただ、素材よりも、どの色を用いるかで巾木を悩む人が多いようです。
部屋を広く見せるためにも白い壁紙を用いることが人気となっていますが、壁紙に合わせて巾木も白にする人が増えています。
筆者の場合は、長年掃除機が巾木にあたることを考えると、薄い色すぎると汚れがめだつようになると思い、あえて濃い色にしました。建具の色と同色にすることで、一体感がありながらもアクセントになっていますよ。
「笠木」で家全体のイメージが変わることもある。
「笠木(かさぎ)」という言葉も普段あまり耳にすることがないかと思います。
笠として、塀や階段手すり、バルコニーの壁上部に施す仕上げ材を「笠木(冠木・かぶき)」といいます。建材を雨などの水分から守ることで家の寿命が延びます。少し傾斜をつけることで水分がたまりにくいような工夫も施されています。
笠木は機能性やデザイン面でも重要視されます。手が触れる部分になるので手触りや質感も大事になります。特に階段手すりの笠木のように、毎日何度も手が触れる場合は、優しい手触りや汚れにくさが重要となるでしょう。
また、デザイン性が求められるため、金属を用いるのかそれともレンガや天然木などを用いるのかといったように、材質も考えなくてはなりません。笠木の部分がアクセントになるよう、壁や塀とは色を変えることもあります。
筆者の場合、階段手すりの笠木は床と同じ色合いにし一体感を持たせました。バルコニーの笠木については、アクセントとなるよう外壁の色よりも少し濃いものを選び、デザイン性を重視しましたよ。
ホームセンターで手軽にDIYを楽しめる塗料も多く販売されていますから、笠木の色を変えることで家や部屋の雰囲気を変えるというのもいいですね。
あまり意識したことはないかも。「蹴り込み板」とは
私は「蹴り込み板」という言葉も知りませんでした。蹴り込み板とは、階段を上る際につま先があたる部分のことです。
踏み板である踏面(ふみづら)と同系色にしてある場合は、一体化し落ち着いた印象となり、反対に踏面とは違う色にした場合はアクセントとなりモダンな印象になります。
蹴り込み板は、知らないうちにつま先があたり意外に汚れたり傷んだりします。筆者はその点を考慮し、踏面に比べて少し濃い色にしたかったのですが、主人の好みで踏面と同系色にしました。
海外や若い人の中には、この蹴り込み板をDIYしてアートのような美しい階段にしている人もいます。カッティングシートや壁紙、塗料などで簡単にDIYができるようです。つま先があたる部分なので、クッションシートを用いるというのもいいかもしれませんね。階段全体で蹴り込み板が絵となるようなデザインのものや、花柄、動物柄などにして楽しむ人もいるようですよ。
これまで意識して目を向けたこともなかった人も、ご自宅の蹴り込み板の汚れや傷み具合を確認してみましょう。掃除するだけでも印象がかわるかもしれませんね。
名前を知ることで住まいに対する意識も変わる
建売住宅や中古住宅、またはマンションでは、今回紹介した「巾木」「笠木」「蹴りこみ板」というようなものはすでに形も色も決まっていたり出来上がったりしています。自分で決めることがないために知らなかったことばかりでしょう。
リフォームする時や新築の一戸建てを建てる際に、建築業者からどのような形、色にするのか聞かれたり、提案されたりして、初めて耳にする言葉かもしれません。
住まい各部位の名称や意味を知り興味を持つことで、自分の部屋や家を改めて見つめるようになったり、他人の家に行った時に意識して目を向けたりするようになるでしょう。
その中で自分が好むデザインや素材が分かるようになれば、より自分が心地よく感じる住まいを作り出すことができます。リフォームや一戸建ての新築をする機会も今後あるかもしれませんから、その前から自分の好みを知っておくのはいいですね。
女性でも手軽にDIYが楽しめる時代になりました。大がかりなリフォームでなくとも、気分転換に「巾木」「笠木」「蹴りこみ板」などを変えることで、部屋、もしくは家全体の雰囲気が変わります。模様替えの一環として家族で取り組むのも楽しそうですよ。
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