リフォームをした時も「住宅ローン減税」の対象になるって本当?その他の減税は?
(※2018年7月11日 加筆・訂正しました)
最近よく耳にするリフォーム。
日本は新築指向の高い国と言われていますが、最近は長年住んだ家をライフスタイルの変化や家族の事情に合わせてリフォームをするケースも多くなってきています。
新築やマンション購入時になじみの深い「住宅ローン減税」ですが、条件が合うとリフォームにも適用できることをご存知ですか?
制度の概要だけでも理解しておけば、お得にリフォームをすることができるかもしれませんよ。
今回は、リフォームのための「住宅ローン減税」についてご紹介したいと思います。
住宅ローン減税とは
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを組んで住宅を購入をする場合に、取得者の金利負担を軽減するための制度で、正式名称は「住宅借入金等特別控除制度」といいます。
「住宅借入金等特別控除制度」(通称:住宅ローン減税)は、新築だけではなく、一定の条件を満たした持ち家や中古住宅のリフォームにも適用される制度で、
平成33年12月31日までのリフォームに対して、10年間の特別控除を受けることができます。
※住宅借入金等特別控除制度
10年以上の住宅ローンを使って一定の住宅を購入または新築または増改築を行った場合に、本来支払うべき所得税から一定額が控除される制度
そもそも控除って何?
確定申告になじみのない会社員にとっては、『控除』と言われても詳しく知らない方も多いと思います。
所得税額というのは、その年の所得から一定の金額を差し引いた額(所得額)に対し、金額に応じた税率を掛け算して決まります。
この “所得から差し引く一定の金額” のことを所得控除といいます。
そして算出された ”所得税額から直接差し引く” のが税額控除。
住宅ローン減税は『税額控除』にあたります。
「住宅ローン減税」の対象となるリフォームを行った場合、この控除額が増えて納める税金が安くなる。
つまり、減税になるのです。
会社員の方のほとんどは、所得税や住民税といった税金は毎月の給与から天引きされて、会社が代わりに納めていますよね。
リフォームを行った翌年に確定申告をすることで、すでに会社が納めている税額と減税制度の控除分を適用した税額との差額を「還付金」という形で受け取ることができます。
また、翌年以降は会社で年末調整を行ってもらえるので、確定申告の必要はありません。
「住宅ローン減税」が受けられるリフォームは?
新築物件のリフォームだけではなく、持ち家や持ちマンションのリフォーム、中古住宅購入時のリフォームなどが対象となり、ローンの年末残高の1%を上限として、所得税から還付をうけることができます。
ただ、ある一定の条件を満たしたリフォームが対象となるため、全ての家で必ずしも「住宅ローン減税」が適用できるわけではありません。
ではどんなものが「住宅ローン減税」を受けられるのでしょうか?
☆住宅ローン減税対象要件☆
●増築や改装、建築基準法に規定された大規模な修繕や大規模の模様替え工事
●マンションなどの区分所有建物は、区分所有する床・階段・壁などの過半で行う修繕や模様替え工事
●家の中で、居室・キッチン・浴室・トイレ・洗面所・納戸・玄関・廊下などの1室で、床または壁の全部に対して行う修繕や模様替え工事
●建築基準法施行令の構造強度に関する規定または地震に対する安全性に関する基準に適合する修繕・模様替え工事
●一定のバリアフリー改修工事
●一定の省エネ改修工事
持ち家をリフォームする場合の条件とは?
①自分が所有し、自分の居住目的のための家屋に対する増改築やリフォームであること
②リフォームの日から6か月以内に居住し、適用を受ける年の12月31日まで続けて住んでいること
③減税を受ける年の合計所得金額3000万円以下であること
④リフォーム後の住宅床面積が50m2以上で、2分の1以上が居住に共するもの
⑤リフォーム費用が100万円を超え、2分の1以上が居住用部分の工事費用であること
⑥10年以上のローン
中古住宅を新たに購入してリフォームする場合の条件とは?
持ち家の場合の条件に加え、下記のいずれかの条件を満たす必要があります。
①築後20年以内の木造住宅であること。(マンションなどの耐火建築物の場合は築後25年以内)
②一定の耐震基準を満たすことが証明されているもの
(耐震基準適藤証明書、住宅性能評価証明書など)
③既存住宅売買瑕疵保険に加入している
「住宅ローン減税」以外の減税もあります
耐震リフォームの減税
突然やってくる地震は誰も予測ができません。
大切な住まいを守る為には耐震リフォームを考えますよね。
1981年6月に建築基準法が改正されて、耐震基準が強化されました。
それ以前に建築されている家を耐震リフォームした場合には「耐震リフォームの減税」が受けられます。
木造住宅はきちんとした構造補強を行えば、耐震性が増して、家の寿命も長くなりますよ。
耐震リフォーム減税は一定の「耐震改修工事」を行った時に受けられる減税です。
リフォームを行った年に確定申告を行うと、工事費用の10%に当たる金額が所得税額から控除され、還付金を受け取れます。
減税の対象となる工事限度額は、自己資金で費用を賄った時は250万円までで、その10%の25万円までが控除対象です。
また管轄の市区町村に申告すると、工事完了の翌年度の固定資産税も2分の1減額されるようです。
【対象になる工事】
現行の耐震基準に適合させるための耐震改修工事
バリアフリーリフォームの減税
最近増えているバリアフリーリフォーム。
必要になってから慌てて行う方が多いですが、将来を考えて事前にすることをオススメします。
床の段差解消や手すりを取り付けたり、ドアを引き戸にする小規模なものから、
廊下を広げたり、水回りを移動させたりホームエレベーターを付ける大規模な工事まで様々ありますよね。
「バリアフリーリフォームの減税」は、特定の条件を満たす人が、一定の「バリアフリー改修工事」を行った時に受けられる減税です。
※適用の条件(下記のいずれかであること)
①50歳以上の方
②要介護者又は要支援の認定をうけている方
③障害者
④2もしくは3に該当する親族、または65歳以上の親族 いずれかと同居している方
リフォーム費用から補助金などを差し引いた金額が50万円を超えた場合、
リフォームを行った年に確定申告を行うと、工事費用の10%にあたる金額が所得税額から控除されて、還付金を受け取れます。
減税の対象となる工事の限度額は、自己資金で費用を賄った場合200万円までで、その10%にあたる20万円までが控除対象です。
また、管轄の市区町村に申告すると、工事完了の翌年度分の固定資産税も3分の1減額されます。
※「バリアフリーリフォームの減税」には、ローン残高に応じて5年間控除が受けられる『ローン型減税』という制度もあります。
【対象になる工事】
通路の拡幅、階段の勾配の緩和、浴室・トレイの改良、段差解消など
省エネリフォームの減税
近年では、地球環境問題からエネルギー消費の削減を求められています。
そんな中、室内における暑さ・寒さなどの快適性の向上、暖冷房や給湯機器で消費するエネルギーを少なくすることを目的とする省エネリフォームをされる方も多くいます。
「省エネリフォームの減税」とは一定の「省エネ改修工事」を行った場合に受けられる減税です。
リフォーム費用から補助金などを差し引いた金額が50万円を超えた場合、
リフォームを行った年に確定申告を行うと、工事費用の10%に当たる金額が所得税額から控除されて、還付金を受け取れます。
減税の対象になる工事の限度額は、自己資金で費用を賄った場合で250万円まで(※ソーラー設置工事を行った時は350万円)で、その10%にあたる25万円まで控除の対象です。
管轄の市区町村に申告すると、工事完了の翌年度分の固定資産税も3分の1減額されます。
※「省エネリフォームの減税」には、ローン残高に応じて5年間控除が受けられる『ローン型減税』という制度もあります。
【対象になる工事】
全居室の全ての窓の断熱改修、床の断熱工事、天井の断熱工事、壁の断熱工事、ソーラー設置工事など
まとめ
いかがでしたか?
リフォームの際の住宅ローン減税には色々条件がありますが、きちんと知っておけば少しでも得をするのです。
是非知っておきたい情報ですよね。
ただ、住宅ローン減税を受けるためにもリフォームした翌年の2月中旬から3月中旬の期間に確定申告が必要になります。
申告場所は納税地の所轄税務署です。
事前に必要書類を準備しておき、手続きをしてお得にリフォームをしましょう。