高齢者と同居する際に必要なバリアフリーリフォームと事例
高齢化社会になり、さらに注目されるようになったバリアフリーリフォーム。
バリアフリー住宅とは、障害物のない住まいという意味です。
障害物といえば、様々な事が浮かぶのではないでしょうか?
年をとったとしても安心・安全で暮らしやすい家、それがバリアフリー住宅です。
バリアフリー住宅にするために必要なリフォームには、床の段差を緩やかにする、または段差を解消、階段やトイレ、廊下に手すりを取り付け移動しやすくする、ドアを引き戸にし開けやすくする等の
「なくても困らないがあった方が便利」というものから、
廊下を広げ車いすもラクラク通れる広さにしたり、水まわりを移動させて使いやすい配置に、エレベーターを取り付け快適にすること等の
「根本的に変更してしまう」ものまであり、費用に関しても数千円~何百万円と幅広くあります。
親御さんの現在の状況や、自分自身の予算に合わせてしっかり計画を立てるとともに、住まいに必要なものを見極めることがバリアフリーリフォームには重要です。
しかし、現状ではバリアフリーや防犯リフォーム等の普段は気にしない部分については、必要と感じてから慌てて動き出す人が多く見られます。
必要なときに、すぐに行動できるように早めに計画を練り、あらかじめ準備しておくことが重要です。
そのバリアフリーリフォームは本当に必要ですか?
しっかり計画を練ろうとお伝えしましたが、未来を見通すことはできません。
なので完璧な住まいづくりは、現時点では困難な方もいると思います。
公共スペースであれば、そのような方にも必要な箇所が出てくるのでいいのですが、
個人の住まいレベルになるとバリアフリーリフォームはそれぞれの状況によって変化するものなので簡単にはいきません。
とりあえずやっておこうと決めて取り付けたものがかえって生活に支障をもたらすこともあります。
その中でよくある失敗バリアフリーは「手すり」ではないでしょうか?
例えば廊下に取り付けたとします。
取り付け位置は、健康なあなたより少しさげた位置にとりあえずつけた場合、普段使うには少し低いし邪魔になることもあれば、年をとり腰が曲がり、手すりを使用しようとしてみたら少し高く使いづらい。なんてことが起こることもあります。
また、手すりの利用方法で多いのが車いすからの立ち上がり等です。
その際は車いすより下にないと力がはいらず意味がありません。
このようにバリアフリーにはそれぞれ 特性が存在し、また、手すり一つとっても個々人で使い方や位置はそれぞれあります。
バリアフリーリフォームに本当に大切な事とは?
バリアフリーリフォームで本当に大切なことはなんでしょうか?
早めに手すりを取り付けることでしょうか?早めに階段を緩やかにしておくことでしょうか?大切なことは、いざと言う時に困らぬよう、将来の様々な状況に対応できる下準備をしておくこと。
備えることが重要です。
では、どうすればいいのか?
それは、家族全員の共通バリアフリーの住まいにリフォームすることです。
どういうことか?まず、年齢に関係なく家族に優しい住まいを目指すことで、赤ちゃんから高齢者まで安全に暮らせる住まいになります。
バリアフリーリフォームの基本を把握し、そのポイントをリフォーム等に活かすことで、将来に必要な下準備を整えていきましょう。
リフォームの際に少し工夫するだけで、住まいの安全性をグッ高めることができるのです。
敷居や床の段差を解消してみる
敷居やドアの小さいけど少し不便な段差がないでしょうか?
小さな段差でも車椅子が通りずらかったり、まだ小さな子供や前が見えづらい妊娠しているお母さん、段差がつらい高齢者にとっては非常に危険な場所になりえます。
段差解消というのは、年齢等関係なく家族が安心・安全に暮らすために必要な基本的なバリアフリーリフォームです。
段差の解消は、自分自身でもDIYできる部分でもあります。ホームセンターなどに売っているミニスロープを使用すれば一時的に改善も可能です。
ただ段差に合わない場合もあるため、その際はプロに任せてみるのも方法の1つです。
ドアを引き戸にリフォームすることで安心・安全
室内に必ず必要な物の1つに「ドア」があると思いますが、このドアを引き戸にリフォームすることも将来のために欠かせないバリアフリーリフォームになります。
引き戸とは、横にスライドさせて開閉させる建具のこと。
襖や障子の開閉方法としても使用されているため、日本人にとっては身近な存在かと思います。
ひと昔前までは、和室に隣接していたり、狭い空間で開き戸を設置できない場合、また、間仕切り建具などに引き戸を用いる例はみられましたが、今ではバリアフリーでも使用されている場合が多々あります。
車椅子を使用している家庭が使うかも?と思うのであれば、三枚引き戸にすれば車椅子でもラクラク通れるので安心です。
意識しないフローリングリフォーム
普段意識しない部分で足元の事故が多い場所があります。それがフローリングです。
滑るフローリングは高齢者だけでなく、小さいお子様にとっても危険な場所になりえます。
滑りにくいフローリングやコルク材などを選び、安全性を高めることで未然に事故を防ぎましょう。
最近では、衝撃を吸収するフローリング材などもあるためリフォームする際に確認してもいいかもしれません。
バスルームの段差解消とは?
バスルームの床の段差は、床より大きい落差がある為リフォームしたい部分になります。
解消方法は介護用のすのこ(カラリ床)を使えば簡単に解消できますが、敷き詰めないとすのこ自体が動くため危険です。
そのため動かないように滑り止めも効果的ですが隙間が綺麗に埋まるかわかりませんし、滑り止めも取り換えが必要なので労力はかかります。
また、古くて寒いタイルの浴室であるならば、断熱性が高いユニットシステムバスへのリフォームを検討してもいいかもしれません。
段差だけでなく、寒いお風呂は、高齢者や小さい子供にとっては命にかかわる危険な体調の変化を引き起こす可能性もあるからです。
あったかいユニットシステムバスならば命の危険性を減らすとともに、段差をなくすこともでき安全性も確保できるでしょう。
また、忘れてはならないのが浴室の浴槽またぎの高さです。洗場から浴槽の縁まで約40cmがちょうどいい高さと言われています。高すぎると転倒の危険性がありますし、低すぎると転落する危険があります。
さらに、バリアフリーを意識するのであれば、浴槽脇にベンチがついたユニットシステムバスもあります。ベンチがあれば身体を回転させて浴槽に入ることができるので安全性が高まります。
ユニットバスは日々進化しているため、今現在どのようなユニットバスが存在するのか確認することも重要かと思います。
キッチン・洗面台の高さや配置を考えてみる
日々必ず使用する場所がキッチンや洗面台です。ここは将来を考えて下記の事に気を付けてください。
・高さ
・配置
です。高さは椅子が入る、そして座っても作業しやすい高さにすることが大切です。
椅子に座って作業できるのはいくつになっても楽ですし、車椅子になったとしても
応用がきくからです。
次に配置です。配置を意識することで机に食事を運ぶ流れが変わり、さらに便利になります。
スペースなども気にかけることでさらに動きやすくなるためリフォームの際はこのような事を意識して頂けるといいのではないでしょうか?
階段やお風呂、トイレに手すりをつけてみる
若いころはいいのですが、やはり高齢者は足腰が弱ってくるため、どこかに支えが必ず必要になってきます。
階段やお風呂、トイレなどの日常的によく使用する場所にはつけておくのもいいでしょう。
最近注目されているLED電気で部屋を明るく
高齢者で気を付けた方がいい点に視界が悪くなる。という部分があります。
また、電気を変更させるのはかなりの労力がかかるため、長い時間取り換え不要のLED電気で明るい物を選びましょう。
バリアフリーリフォームの問題点をしっかり把握する
バリアフリーリフォームを行う際は、いくつかの問題点があります。
一番気になる階段を緩やかにしようと思ったら、広さもけなければならない、他の配置を変更しなければならない等、費用がかさむこともあります。
また、バリアフリー用の器具を後付けすることで、使いづらくなるケースに階段があります。
手すりなどをつけるということは狭くなるということです。
取り付けたために、動きづらくなったというケースもあるのです。
しっかり計画をたて、どこからどこまでリフォームするのかを自分自身でもしっかり把握しましょう。
今すぐ完璧に整える必要はありません。壁紙の張替えリフォームを考えているなら、将来手すりを取り付ける可能性がある壁面に補強下地を入れる等の下準備をシッカリしておけば、必要な際も対応しやすい住まいになります。
また、バリアフリーリフォームは、減税・助成金・介護保険など様々な補助制度が存在しますので各自治体などに確認しましょう。
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