こんな家では不安！地震に弱い住宅を見分ける方法
物件の資料で判別するときにチェックするポイント
日本ではここ20年で大きな地震が相次いで発生し、住宅の耐震性がとても重要視されています。
新築物件を購入する場合は適切な工事をおこなっていれば厳しい耐震基準に則って建築されているので、耐震性に関しては心配する必要はありません。ただし中古物件を購入する場合は耐震性についてはしっかりチェックする必要があります。
中古物件を購入する際には、その物件の資料を確認する事である程度耐震性が弱い物件を見分けることができます。
耐震性が弱い住宅かを判断する基準は、まずその建物が建築された年。もしその物件が建築された年が1981年（昭和56年）以前のものであれば、地震に弱い住宅である可能性があります。
昭和56年6月1日から、それまでの「耐震基準」よりもより厳しいものとなった『新耐震基準』が採用されており、『新耐震基準』採用以降に建築確認申請を受けた建物は、ある程度の耐震性を確保されています。
実際に1995年に阪神淡路大震災が発生したとき、倒壊した建物の大部分が新耐震基準以前に建てられた建物であったことがそれを物語っています。
もちろん『新耐震基準』以前に建設された建物であったとしても、優れた耐震性をほこっている建物はたくさんあります。しかし基準が緩いことが明確である以上は耐震性が低い住宅である可能性が高いことを念頭に入れておき、どうしても昭和56年6月1日以前に建てられた住宅で欲しい物件があれば耐震診断を受けておいた方が無難です。
地盤や基礎部分が弱い家
建物の「地盤」は地震に耐えうる住宅かどうかの重要なポイントです。
地盤が強ければ大きな地震が発生したとしても小さい揺れで済みますし、逆に地盤が弱ければ小さな地震であっても建物の大きな揺れに繋がります。同じ強さの地震であっても、地盤が強いか弱いかで建物に与える影響が大きく変わるのです。
地盤において特に注意しなければいけないのが、海や川、池など、もともと水場だった場所を埋め立てた土地だった場合です。その他にも山の斜面を削った土地に建築された建物の場合は雨が多く降った場合に地滑りが起きる恐れがあります。
ちなみに現在建っている建物の地盤の強さは自分で調べることができます。民間の企業や自治体が地盤のデータベースを所有していて、パソコン上でチェックする事が可能なのです。更に詳しくチェックしたい場合は役場などに行って資料を見せてもらうと良いでしょう。
また、建物の土台である「基礎」が何で出来ているかもとても重要です。厳しい耐震基準が課せられている現在の建物は基礎部分に鉄筋コンクリートを使用しています。コンクリートに鉄筋が入っていなかったり、基礎部分が石積みになっているような住宅は地震に弱い建物であると言えるでしょう。
基礎に関しては、建物を建てる前や建築中ならばチェックできますが、建物が完成されている中古物件に関しては基礎をチェックする事は困難です。
ただし建物を実際に内見する際には建物の基礎の外周部分はしっかりとチェックしましょう。基礎部分に0.5ミリ以上のひび割れが発生している場合や、基礎の奥部分にまでひび割れが達している場合、基礎部分に何らかの問題を抱えている可能性が高いです。そのほかの条件が良かったとしても購入は見送った方が良いでしょう。
内見で耐震性をチェックするポイント
建物の内見をする際に、基礎の外周部分をチェックするほかにも耐震性に弱い建物かどうかを判別できるチェックポイントがあります。
まずチェックしておいてほしいのが建物の「屋根」。昔の建物は屋根が瓦葺きのものが多いですが、瓦は重いため、建物自体に大きな負担がかかります。
更に可能であれば確認しておきたいのが「筋交い」です。古い住宅では壁の筋交いが少なかったり、機能を果たしていない建物も。建物の筋交い部分が土台に接触していなかったり、筋交い自体が明らかに少ない場合は地震による揺れの影響を大きく受け、建物が倒壊する可能性が高いです。
また、建物の「傾き具合」も耐震性をチェックする上で重要です。昔から建物のチェックに使われているビー玉などを床に転がしてみるという方法は有効ですし、扉という扉をすべて開けてみてスムーズに開閉できるかや閉めたときに不自然な隙間が無いかを確認するようにしましょう。
そして建物の「壁」も大切なチェックポイントです。都市部の狭い部分に多く建てられている住宅のように一階の大部分を駐車場にしている建物の場合は一部の壁が極端に少ないため、地震による揺れに対して踏ん張りがきかなくなる可能性があります。
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