夏の旅行は関西の神社でライトアップを楽しもう!
光あふれる夜の神社
神社めぐりというと、日中に足を運ぶことがほとんどです。しかし、関西には夜になると美しくライトアップされる神社がたくさんあるのです。さまざまな光でライトアップされた聖域は、一層のありがたみを感じさせてくれます。背景となる夏の風景と相まって、夜の闇に浮かび上がるその光景は、特別なものとして参拝者の心を揺さぶってくれるでしょう。夏の旅行は、気温の高い時間帯を避けて、夜だからこそ出合える神社の美しさや感動を実感してみませんか。
美しい光が境内を柔らかく包み込む|貴船神社
京都駅から電車とバスを乗り継いで約1時間でアクセスできる鞍馬の山深くにあるのが『貴船神社』です。静かなたたずまいから、耳を澄ますとすぐそばを流れている京都の水源である貴船川のせせらぎが聞こえてきます。それは、水神・高龗神(たかおかみのかみ)を祀るにふさわしい情景です。この神社は全国に500以上ある貴船神社の総本宮で、歌人・和泉式部など古くから京都の人々の崇敬を集めてきました。現在はその神徳のみならず、自然と調和したライトアップでも有名です。朱色が映える鳥居から、71基の春日灯籠が石段を照らしている参道を登って、神門をくぐると、そこはまるで別世界です。水と光に心が清められるようなライトアップが広がります。風が吹くと木々の葉が触れ合う涼しげな音も聞こえてきて、夏の暑さもやわらぎますよ。
ライトアップに彩られたノスタルジックな世界|伏見稲荷大社
日本中で稲荷神社がないという地域は少ないです。それほど稲荷神社は日本人にとって身近な存在ですが、その総本宮が京都に鎮座している『伏見稲荷大社』です。稲荷駅を下車すると、すぐに伏見稲荷大社の朱色の鳥居が目に飛び込んできます。鳥居を抜けて参道を歩くと、あたりは提灯の明りで真っ赤に染め上げられ、たくさんの参拝者でにぎわっています。それは、初めて訪れてもなぜか郷愁を感じてしまうようなノスタルジックな光景です。日本画家の奉納による400点余りの行灯画も見逃せません。そして伏見稲荷大社といえば、真っ赤な鳥居が連なる千本鳥居が有名です。お祭りの日は参道を照らす光が灯るので、安心して夜のライトアップを堪能できますよ。
とこしえの光が奈良の歴史を見守り続ける|春日大社
かつては都が置かれ、現在でも歴史と文化が息づいている古都といえば奈良です。なかでも武神・武甕槌命(たけみかづちのみこと)を祀る『春日大社』は、その東方の御蓋山(みかさやま)から、約1300年間にわたって都を見守ってきました。毎年8月14~15日の中元万燈籠では、石灯籠約2000基と釣灯籠約1000基が一斉に参道や社殿を照らして、より厳かな雰囲気に包まれます。中世に時の権力者であった藤原氏の氏神であった春日大社では、藤の花がシンボルとなっています。たくさんの釣灯籠のなかにも藤モチーフの美しいものがあるので、回廊を歩きながらじっくりと見るのも夜に参拝する楽しみのひとつです。古くから人々が祈りを込めて寄進してきた灯籠は、春日大社の神様の威光を表しています。JR奈良駅からバスを使うと約12分でアクセスできますよ。
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