「冬は火事に気をつけろ!」「火の用心!マッチ一本火事の元!」
昔から冬には火事に気をつけようというアナウンスが頻繁にされるように、冬は火事の多い季節です。
では、どうして冬に火事が多発するのでしょうか?
ここでは冬に火事が多い原因と、火事から大切な家を守る対策をあわせてご紹介します。
冬に火事が多いって本当?
冬に火事が多いとよく言われますが、本当に火事は冬に多いのでしょうか?
消防庁の「平成30年版消防白書」に火事が発生した原因や件数などがまとめられていましたので、こちらのデータを見ていきましょう。
▲総務省消防庁「平成30年版消防白書」より
消防庁が季節ごとの出火件数をまとめたデータを見ますと、空気が乾燥する12~2月の冬季で全体の出火件数のうち3割近くの火災が発生し、また同様に空気が乾燥している3~5月の春季も全体の出火件数のうち3割を占めています。
つまり、空気が乾燥する季節だけで年間出火件数の6割の火災が発生しているとわかります。
▲総務省消防庁「平成30年版消防白書」より
ちなみに、林野火災では1年で3月に1番火災が発生し、4~5月もまた火災が多く発生します。
こちらは「降水量が少なく空気が乾燥し強風が吹く時期」のため林野火災が発生しやすいのだそうです。
冬はなぜ火事が起こりやすい?その原因とは
冬の時期になぜ火事が起こりやすいのか?
その原因は主に2つあります。1つは乾燥する気象条件。
空気が乾燥すると空気中の水分量と同様、建物や家具などに蓄えられる水分量も少なくなります。
水分を多く含むものよりも乾燥しているものの方が燃えやすいのはご存じの通り。
ちょっとした火の気が大きな火事に繋がりやすくなるのです。
もう1つは寒くなるにつれストーブなど暖房器具を使う機会が増えますが、暖房器具の消し忘れや間違った使い方などから火災が発生するためです。
▲総務省消防庁「平成30年版消防白書」より
冬場はストーブを使う方が多いですが、カーテンや毛布がストーブにかかり火災が発生するというケースもあります。
平成29年はストーブが原因の建物火災が1,355件あり、こたつが原因の出火も45件ありました。
家や命を守る!冬の火事対策にやっておきたいアレコレ
それでは、冬場の火事から家を守る方法についてみていきます。
住宅を始めとする建物火災に多い原因はコンロやタバコ、放火なのですが、ここでは冬場こそ気をつけたい対策を中心にご紹介します。
ストーブの近くに燃えるものを置かない
就寝時に足元にストーブを置くと温かくて心地よいものですが、ストーブの近くに燃えやすいものを置くことは危険です。
寝ている間に毛布がストーブに触れると火災の原因になります。
洗濯物、カーテン、毛布といった燃えやすいものをストーブの近くに置くことは絶対にやめるべきです。
ボイラーやストーブなど暖房器具は点検してから使う
寒くなるとお鍋のカセットコンロの出番。
そして石油式のボイラーやストーブ、ファンヒータといった暖房器具の活躍シーンが増えてきます。
しかしよく点検せずに使用すると不完全燃焼や火災の原因となることがあります。
シーズンの最初、久しぶりに使用する前はよく点検してから使いましょう。
外出前や就寝前に暖房器具のスイッチを確認する
スイッチの切り忘れなど暖房器具をつけっぱなしにすることで火災になることがあります。
就寝時や外出時は必ず電源が入りっぱなしになっていないことを確認しましょう。
カセットガスや灯油の扱いに気をつける
石油ストーブを使う際は、給油後にしっかり燃料タンクのフタが閉まっているか確認しましょう。
また、火をつけたままでの給油はNGです。給油は必ず消火してから行ってください。
カセットコンロでお鍋をする時やカセットガス式のストーブを使う際も、カセットガスを熱源の近くに置かないなど、燃料となるものは適切に管理することが火災予防に繋がります。
寝タバコ・コンロの消し忘れに気をつける
基本的なことですが、寝タバコやコンロの消し忘れも火災の原因となります。
”ついうっかり”がないよう、日頃から火の元の扱いには気を配りたいものです。
火災報知器や消火器を用意
どれだけ気をつけていても、収れん火災など予期せぬ火災が起きることがあります。
そのため、自宅には火災報知器を設置し、消火器や防炎タオルなど消火に役立つツールを用意しておきましょう。
まとめ
空気が乾燥する冬と春は1年の中でも火災が起きやすい季節です。
タバコやコンロの取り扱いに始まり、冬場は特にストーブやカセットガス、灯油などの扱いに細心の注意が必要です。
これらを適切に管理・使用することが火事予防に繋がります。
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