ある季節になると、よく聞かれるワードがあります。
それは「断熱」です。
なんとなく意味合いはわかるけど、本当の意味はよく分からない方が多いのではないでしょうか?
快適な住まいづくりの鍵は、「自然室温」「体感温度」「上下温度差」ですが、その部分に「断熱」が深く関わっています。
今回は断熱の意味についてわかりやすくお伝えしたいと思います。
断熱がもたらす効果!
まず、「断熱」の目的は、
適切な気密化、断熱化により、快適であると同時に省エネの住まいとするためです。
どういうことか?
人と環境に対して負荷の少ない住まいをつくる。これが真の目的です。
人に対して負荷が少ないってどういうことでしょうか?
夏は涼しく、冬は暖かい、そして結露の少ない住まいです。
環境に対して負荷が少ないってどういうことでしょうか?
丈夫で長持ち、そしてエネルギーをなるべく使わない住まいです。
断熱化した際に一番効果を実感できるのは、
・自然室温
・体感温度
・上下温度差
という3つの室内環境の改善です。
◇自然室温
自然室温とは、読んで字のごとく空調しなくても、自然の風を利用し冷やされた室温のことです。
基本的に断熱性能が落ちるトイレや浴室などは、室内は外気温より2℃程度しか変わらないのに対し、次世代省エネ基準レベルまで断熱化を図った場合、外気温マイナス6℃程度にまで変えられることが可能です。
◇体感温度
体感温度とは、一般的には室温・壁・床・天井・開口部の表面温度と隙間風などに影響される事を指します。
断熱を施して各部位の表面温度を室温に近づければ、省エネで高い体感温度を得ることが可能になります。
◇上下温度差
空調を行っている部屋で、断熱性能が低い場合は壁の熱吸収や対流が生じるため、床付近と上部の温度差がひらきます。
しかし、断熱性能が高い場合では、エアコンの風が床付近に到達できるようになり、温度ムラを軽減することが可能です。
つまり、温度ムラの改善に「断熱」は有効です。
気密性がもたらす効果!
断熱と深く関りがある性能に気密性能があります。
気密性能は断熱にとって大切なキーパーソンです。
大きな理由は3つに分けることができます。
②壁内気流の防止(断熱性能の維持)
③壁内結露の防止(耐久性の向上)
①隙間風の減少(省エネ性能の確保)
近年の木造住宅は、特別な技術を用いなくてもある程度は気密化が可能になっています。
しかし、壁内気流の防止を確実に行わなければなりません。
でなければ、断熱性能は大幅に低下します。
また、室内側の気密シートなどの防湿層の施工が悪い場合には、内部結露のおそれが高まるので注意が必要です。
※内部結露:室内で発生する水蒸気が壁内に侵入して生じる結露
断熱とは、結局の所あなた自身の住まいを快適に住みやすくするための工夫の一つです。
日本は、気候の変化の移り変わりがあるため、断熱は、文字から冬のものと捉えがちですが、一年中を通して考えられる住まいのための知識です。
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