不動産基礎知識

不動産の登記って?不動産売買の基礎知識

不動産の登記って?不動産売買の基礎知識

 

不動産登記制度とは不動産の客観的な状態や権利の変動について登記記録を作成して、一般に公示する制度のことです。

不動産取引を行う場合、代金を全額支払っても権利が無事移転され登記が完了しないと、その不動産取引が終了したことにはなりません。

最終的にその不動産が自分の名前で登記されて、はじめてその不動産を完全に手に入れたと言えるのです。

 

では、登記とは具体的にどういったものなのでしょうか?

 

登記って?登記簿って?誰でもみられる?

登記簿の構成

登記簿とは登記記録が記載されている帳簿のことで、法務局で管理されています。

登記記録は表題部と権利部(甲区、乙区)とで構成されています。

現在、法務局はコンピューター化が進んでいるため、登記記録は磁気ディスクをもって整えられ保管されています。

(それ以前の登記簿については、土地、建物の別でバインダー式のファイルなどで保管されています)

・表題部

登記記録のうち表示に関する登記が記録される部分を「表題部」といいます。

 

<記載されている内容>

土地・・・所在、地番、地目、地積等

建物・・・所在、家屋番号、種類、構造、床面積等

 

・権利部

登記記録のうち権利に関する登記が記録される部分を「権利部」いい、甲区と乙区に分かれています。

 

<記載されている内容>

甲区・・・所有権に関する事項(所有権保存登記、所有権移転登記、所有権に関する仮登記、差し押さえ、処分など)

乙区・・・所有権以外の権利に関する事項(抵当権設定、賃貸権設定など)

 

 

登記の種類

不動産に関する登記のなかで、特に重要なものをあげてみましょう。

表題登記(建物)

建物を新築した時に行う登記で、建物の概要(所在、家屋番号、種類、構造、床面積等)を登記します。

合筆登記、分筆登記(土地)
登記記録では、土地は筆(ふで)をひとつの単位としています。

一筆とは、一定の線で区切られた土地の最小単位です。

合筆登記とは、隣接した2筆以上の土地を1筆に合わせる登記のことをいい、

分筆登記とは、1筆の土地に新たに線を入れて2筆以上の土地に分ける登記のことをいいます。

所有権保存登記(建物)

所有権保存登記とは、これまで所有権が設定されていない不動産(新築建物など)に初めて所有権の登記を行う場合に行われる登記です。

・所有権移転登記(土地・建物)
所有権の登記がされている土地・建物について、新たにその所有権を取得した場合に行われる登記です。

・共有登記(土地・建物)
1個の不動産の所有権を複数の名義で登記することを共有登記といいます。

共有登記の場合、それぞれの人の所有権の割合は、持分で登記記録に表示されます。

・抵当権設定登記(土地・建物)
抵当権とは、資金の借入れの担保として不動産を差し入れた場合に、その不動産に対して行う登記です。

借入者が返済できなくなった場合、抵当権者は抵当権の設定してある不動産から優先して返済を受けることができる権利です。

・仮登記(土地・建物)
これまでにあげた登記はすべて本登記と呼ばれる登記です。

まだ要件がそろっていないため、本登記をすることができない場合にする登記が仮登記です。

仮登記は本登記ができるまでの間、仮の登記をすることによって順位を確保しておく登記です。

 

登記記録の公開方法

登記記録は、手数料として収入印紙を貼付して申請することで、だれでも書面による交付を依頼することができます。

この書面にはいくつかの種類がありますので注意が必要です。

 

・登記事項証明書

登記事項証明書は、「全部事項証明書」と「現在事項証明書」とに分けられます。

現在事項証明書は、現在有効な事項しか表示されません。

これまでの登記の経歴を含めた情報を確認したい場合は、全部事項証明書を請求しましょう。

 

・登記事項要約書

登記事項要約書には、登記事項証明書と比べて、一部の情報しか記載されていません。

例えば、所有権については権利の発生原因(売買・相続など)は記載されませんし、

所有権仮登記などもすべての情報は記載されません。

登記事項要約書は簡易な情報の収集に適しています。

 

登記申請

不動産登記法の改正(平成17年3月施行)により、法務局における登記事務のコンピューター化が進められ、現在は全国すべての法務局でインターネットを利用した登記申請(オンライン申請)ができるようになりました。

登記申請には、申請書のほかに必ず添付して提出する書類が必要です。

この書類は申請する登記の種類ごとに決まっているので、注意が必要です。

 

例えば・・・

 

土地の表題(未登記の土地について初めて登記する場合)

1、地積測量図(1/250)

2、土地所在図(1/500)

3、住民票(法人の場合は法人の登記事項証明書)

4、所有権証明書

建物の表題(新築の場合)

1、建築図面(1/500)

2、各階平面図(1/250)

3、住民票

4、所有権証明書

所有権保存(戸建て)

1、住民票(法人の場合は資格証明書)

2、固定資産税評価証明書(登記申請年度内発行のもの)

所有権保存(マンション等)

1、登記原因証明書情報

2、敷地権譲渡承諾書

3、住民票(法人の場合は資格証明書)

4、固定資産税評価証明書(登記申請年度内発行のもの

と、なります。

(※いずれの場合も、代理人(司法書士等)による場合はこれに委任状が必要)

登記費用

登記にあたっては「登録免許税」が必要です。

登録免許税 = 課税標準 × 税率

で計算されますが、この「課税標準」は、所有権保存登記・所有者移転登記等では「固定資産税評価額」、抵当権設定登記では「債券金額」が使用されます。

 

税率に関しては、例えば

 

所有権保存登記・・・0.4%(住宅用家屋については1.15%への軽減あり)

所有権移転登記<売買等>・・・2.0%(住宅用家屋については0.3%への軽減あり。土地については平成31年3月31日までの間1.5%への特例あり)

所有権移転登記<相続>・・・0.4%

所有権移転登記<遺贈・贈与>・・・2.0%

抵当権設定登記・・・0.4%(住宅用家屋については0.1%への軽減あり)

 

と、なります。

 

まとめ

今回は、不動産の登記に関して、私たちに身近な項目を挙げてみました。

不動産取引の最終ステージ『登記』。

登記に関する知識を深め、悔いのない不動産取引を行ってください。

 

 

不動産取引に関わる身近な法律!不動産売買の基礎知識

不動産取引に関わる身近な法律!不動産売買の基礎知識

不動産の取引に関わる法律は様々あります。

 

今回は、

不動産取引を行う者に対し規制を定めるものや、不動産を購入する消費者を保護するものなど、

私たちに身近な法律をまとめてみました。

 

宅地建物取引業法

不動産業者(宅地建物取引業者)は、都道府県知事または、国土交通大臣(2つ以上の都道府県に事務所を設置)の免許を受けなければなりません。

「宅地建物取引業法」は、免許を受けて不動産取引を行う者に対し、

安全かつ円滑に不動産取引を行うための、さまざまな規制を定めています。

不動産の取引をする際には、不動産業者が「宅地建物取引業法」の規定をきちんと守っているか十分に注意しましょう。

 

宅地建物取引業者票の掲示

不動産業者は、事務所や業務を行う場所ごとに、よく見える場所に「宅地建物取引業者票」を掲示することが決められています。

免許の有効期間は5年で、そのつど更新の手続をとらなくてはなりません。

※平成8年3月31日までは3年ごと

免許有効期間も明示されていますので、更新手続がきちんとなされているかも確認しておきましょう。

また、免許証番号の前についているカッコ内の数字は更新の回数を表しており、更新を1回行うと(2)になります。

この数が大きいとそれだけ長く業務を行っているということになり、信頼度を計るうえでひとつの判断材料になるでしょう。

 

<例> 大阪府知事 (3) 第〇〇〇号

 

 

重要事項の説明

不動産業者は、契約の成立までの間に、取引の対象となる不動産に関する重要事項を説明しなければなりません。

重要事項の説明は、「重要事項説明書」を書面で作成・交付したうえで、

宅地建物取引士が「宅地建物取引士証」を提示して行うことが決められています。

 

<説明すべき重要事項>

1、登記されている内容に関する事項

2、法令に基づく制限の概要

3、私道負担に関する事項(建物の賃貸借以外の場合)

4、水道、電気、ガス等の供給、排水施設の整備状況

5、物件が未完成の場合は完了時における形状、構造等

6、マンション等の場合は敷地に関する権利の種類、内容等

※平成30年4月1日施行予定の宅建業法の改正により、既存建物についての建物状況調査の実施の有無、実施している場合の結果の概要、設計図書・点検記録等の保存の状況についても説明すべき事項として追加されます。

7、代金、借賃等以外に授受される金銭の額および目的

8、契約の解除に関する事項

9、損害賠償額の予定または違約金に関する事項

10、手付金等の保全措置の概要

11、支払金、預り金等の保証、保全措置の有無

12、代金等に関する金銭のあっせんの内容およびその貸借が成立しないときの措置

13、割賦販売の場合は、現金販売価格、割賦販売価格、引渡しまでに支払う金銭・支払時期等

14、宅地造成等規制法による造成宅地防災区域の指定の有無

15、瑕疵担保責任に関し措置を講ずるか否か。講ずる場合にはその措置の概要

16、その他、石綿使用の調査結果の記録の有無と記録がある場合にはその内容、耐震診断結果の記録の有無等

 

契約内容を記載した書面の交付

不動産業者は、契約当事者の住所・氏名、不動産の内容、売買代金とその支払時期、引渡時期、登記申請の時期など契約内容を記載した書面を作成し、契約の当事者に交付することが義務付けられています。

(通常、売買契約書の中身として記載、交付されます)

重要事項説明書や、契約内容を記載した書面には、

宅地建物取引業者名を明示し、宅地建物取引士が記名押印しなければなりません。

 

誇大広告等の禁止

宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し誠実にその業務を行わなければなりません。

不動産業者が広告を行う場合、所在地、規模、形質、利用の制限、環境、料金などについて、

実際のものより著しく優良であったり有利であると誤認させるような、誇大・虚偽の表示をしてはいけません。

 

広告開始時期・契約締結時期の制限

造成前の土地や建築の完了前に販売する建物(青田売り)の場合は、「開発許可」や「建築確認」などを受けた後でなければ販売等の広告はできません。

広告には必ず「確認許可番号」や「建築確認番号」が表記されます。

また、許可がおりるまでは、売買契約の締結や、売買もしくは交換の仲介もしてはならないことになっています。

 

手付金等の保全

物件の引渡し前に買主が支払う手付金について、第三者に保管させる等の方法で保全することを「手付金等の保全」といいます。

不動産業者自らが売主となる場合、

工事完了前の宅地または建物の売買で、代金の5%を超える、または1,000万円を超える額の手付金を受け取るときには、手付金の保全を講じることが義務付けられています。
また、完成物件において、手付金の額が代金の10%を超える、または1,000万円を超える場合も同様です。

 

手付貸与の禁止

不動産業者が顧客に対し、手付金を立て替えたりして契約を誘引することや、

後日受け取るという約束をすることで契約を誘引するような行為は禁止されています。

 

クーリングオフ

不動産業者が売主となる宅地や建物の売買契約について、

当該業者の事務所以外の場所で購入の申込みや売買契約の締結をした買主は、

書面により、申込みの撤回や契約の解除をすることができます

この場合、不動産業者は、損害賠償や違約金の支払いを請求することはできません。

 

ただし、次の場合は申込みの撤回はできません。

・買主が当該業者の事務所等で購入の申込みをし、当該事務所等以外の場所で売買契約を締結した場合
・クーリングオフ制度について書面にて告げられた日から起算して8日を経過したとき
・買主自身が、自宅や勤務する場所で売買契約に関する説明を受ける旨を申し出た場合
・宅地や建物の引渡しを受け、かつ、代金をすべて支払ったとき

 

 

その他

不動産業者が売主となって売買契約を締結する際には、他にも次のような制限を受けます。

 

・損害賠償額

契約の解除に伴う損害賠償額の予定や違約金を定めるときは、その合計が売買代金の額の10分の2を超えてはならない。

・手付金の額
付金の額は、売買代金の10分の2を超えてはならない。

・瑕疵担保責任についての特約

瑕疵を担保する責任は、特約によって期間を定めることができるが、

物件引渡しの後最低2年間(または瑕疵の発見後1年間)は、不動産業者が負うことが義務付けられる。

・アフターサービス

新規物件の販売においては、一定のアフターサービスの義務を負うことが一般的。

・顧客の氏名・住所等の確認、取引記録の保存

不動産業者が宅地や建物の売買契約の締結またはその代理もしくは媒介を行う場合に、「犯罪収益移転防止法」に基づき顧客(個人・法人)の本人確認が義務付けられる。(賃貸借契約についてはその対象には含まれない)

個人については運転免許証等の提示によって、氏名・住居・生年月日を確認し、

法人については法人の登記事項証明書、印鑑証明書等の提示に加え、実際に取引を行っている担当者の本人確認が必要。

また、本人確認記録と取引に関する記録を作成し、どちらも7年間保存する。

・その他禁止事項
重要な事項について、故意に事実を告げない、不実のことを告げる行為等を禁止する。

この「重要な事項」については重要事項説明書の内容のほかに取引の関係者の信用に関する事項などが定められる。

 

消費者契約法

消費者契約法は、消費者の利益を保護するために定められた法律です。

申込み・承諾の取消し、差し止め請求

事業者の次の行為により消費者が誤認、または困惑した場合は、消費者は契約の申込みや承諾の意思表示を取り消すことができます

また、適格消費者団体は、不当勧誘行為差止請求をすることができます。

(※不特定かつ多数の消費者の利益を擁護するために差止請求権を行使するために必要な適格性を有する消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けた法人を「適格消費者団体」といいます

・消費者が誤認した場合

不実の告知>
事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がこれを事実と誤認した場合

断定的判断の提供>
物品、権利、役務などについて、将来の価額や受け取るべき金額など、将来における変動が不確実な事項について、事業者が断定的判断を提供して、消費者がその断定的判断の内容が確実であると誤認した場合

不利益事実の不告知>
重要事項またはその関連事項について、その消費者の利益となる旨を告げて、かつ、不利益となる事実を故意に告げなかったことにより、消費者がその不利益となる事実が存在しないと誤認した場合

・消費者が困惑した場合

消費者契約の締結について勧誘する際に、消費者の住居や会社等から退去するよう告げても事業者が退去しない場合や、消費者が事業者から勧誘を受けている場所から退去したい旨を告げても退去させない場合。

 

契約条項の無効

消費者契約法では、次のような条項は無効とされます。

また、適格消費者団体は不当契約条項の差止請求をすることができます。

・事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項

・事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項

・事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項

・消費者契約が有償契約である場合、目的物の隠れた瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項

・消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があること(当該消費者契約が請負契約である場合には、当該消費者契約の仕事の目的物に瑕疵があること)により生じた消費者の解除権を放棄させる条項

・消費者が消費者契約を解除したときに事業者に支払う損害賠償額の予定や違約金に関する条項で事業者の平均的賠償額を超える部分

・消費者の履行遅滞の場合の損害金、違約金を予定する条項で、年14.6%を超える部分

・信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項

 

住宅の品質確保の促進に関する法律

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)は、住宅生産者などの共通ルールのもとで、質の高い住宅を選びやすくし、住宅建築に伴うトラブルの未然の防止や速やかな紛争解決ができるようにと定められた法律です。

新築住宅の請負および売買契約に関する瑕疵担保制度

新築住宅において、建築請負人・売主は住宅の構造耐力上主要な部分等(基礎、壁、柱、床版、屋根版等)については、引渡しの時から10年間の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられています。

住宅の性能評価・紛争処理体制

住宅の性能について比較できるようにその表示基準を設定し、

その性能を客観的に評価できる第三者機関を設置しています。

共通ルール

「構造耐力」「省エネルギー性」「遮音性」などの住宅の性能を表示するための共通ルールを定め、住宅の性能を比較しやすくしています。

第三者機関

住宅の性能を客観的に評価する第三者機関(登録住宅性能評価機関)を整備することで、住宅の性能に関する表示の信頼性が確保されています。

なお、住宅性能表示は、任意の制度であり、これを利用する場合は、所定の費用がかかります。

また、登録住宅性能評価機関は、「住宅性能評価書」を交付することができます。

住宅性能の保証

登録住宅性能評価機関により交付された「住宅性能評価書」を添付して契約がされた場合、評価書に表示された性能を有する住宅の建築工事を行うことや引き渡すことを契約したものとみなされます。

また、性能評価を受けた住宅に係るトラブルに対しては、裁判外の紛争処理(あっせん・調停・仲裁)の体制が整備されており、万一のトラブルの場合にも迅速かつ円滑な紛争処理が図られています。

 

反社会的勢力排除条項

現在全国の都道府県において、暴力団排除条例が制定されるなど、暴力団排除に向けた取組強化の機運が高まっています。

それを受け、不動産流通団体では、不動産取引の契約書(売買・媒介・賃貸住宅)のモデル条項として、暴力団等反社会的勢力排除条項を定めています。

 

契約当事者が反社会的勢力ではない旨の表明保証

契約当事者は、それぞれ相手方に対し、自らが暴力団等の反社会的勢力ではない旨の表明保証をするほか、脅迫的な言動や暴力行為等をしない旨の確約をします。

この表明保証に違反した場合、無催告で契約を解除することが可能となります。

 

反社会的勢力の事務所等に使用させない旨の確約

買主は、売主に対し、不動産を反社会的勢力の事務所や活動拠点として使用しないことを確約する必要があります。

この確約に違反して、目的物を反社会的勢力の事務所に使用、または使用させた場合、売主は契約を解除することができます。

 

まとめ

このように、様々な法律や条項があります。

これらは基本的に、私たち個人を守るためのものです。

このような法律や条項を知ることで、安全で安心な不動産取引ができることでしょう。

不動産売買契約の注意点は?不動産売買の基礎知識

不動産売買契約の注意点は?不動産売買の基礎知識

不動産売買の取引相手が決まってから、様々な内容を詰めていき、最終的に「売買契約の締結」に至ります。

 

売買契約を結ぶにあたっては、契約の内容を記載した「売買契約書」を作成し、売主・買主がお互いにその内容を確認し合意のもとで署名(記名)捺印するのが一般的ですよね。

法的には、売主・買主お互いの合意があれば書面を作成しなくても売買を成立させることは可能ですが、思い違いから後日トラブルになる可能性もあります。

それを防ぐためにも書面を作成しておいた方が良いでしょう。

 

契約の締結の際には「売買契約書」にそれまで相手方と打ち合わせしてきた事項が正しく記載されているか、内容をしっかりと確認することが大切です。

後から不備に気付いた、思っていた内容と違ったとなれば、大きなトラブルにつながる可能性もありますので、十分な注意が必要です。

 

契約締結の際に確認しておくこと

売買契約を締結するうえで、次の事項はいずれもとても重要です。

十分に注意して、しっかりとした確認をしましょう。

 

対象物件の範囲

土地については、登記簿、測量図と実際の利用範囲を照らし合わせ、明確に特定しましょう。

建物についても登記簿、建物図面どおりの建物であるかきちんと確認することが必要です。

 

庭石、庭木、照明器具、エアコン、物置などの付帯物については、売買対象に含めるのかどうかを、確定しておく必要があります。

また、売買対象物件ではありませんがマンションや、一般の駐車場で契約している「駐車場を使用する権利」を引き継ぐことができるのかについても、必要であれば確認しておきましょう。

 

取引形態(公簿取引・実測取引)

公募取引とは、登記簿上に記載された土地面積を基準に売買価格を決めて取引し、その後、実測によって面積に違いが生じても価格の清算を行わない取引です。

 

実測取引とは、土地家屋調査士等に依頼して実測によって土地面積を確定し、売買価格を割り出す取引です。

実測取引の場合、契約締結時に実測面積が確定しなければ、まず概算面積に基づいて売買契約を締結します。

そして、その後引渡しまでの間に実測面積を算出して、売買代金の清算を行うことになります。

 

売買代金・手付金・費用の負担

売買代金の総額、手付金、残代金の額とその支払時期についても、明確に取り決めておくことが必要です。

不動産を購入する際に、取り決めの時期までに支払いができなかった場合は、「債務不履行」となり相手から損害賠償請求をされたり、または契約を解除されたりすることも・・・

そうならないために、無理のない支払いスケジュールを立てることが大切です。

 

 

売買などの契約が成立すると、買主から売主へ「手付金」が支払われますが、

民法では、手付金が交付された場合は「解約手付」と推定しています。

手付金が解約手付である場合には「売主からは手付金の倍額を返還すること」または「買主からは手付金を放棄すること」により契約を解除することができます。

また、手付による解除の場合は特約がない限り損害賠償の請求はできません。

 

不動産取引においては、その不動産の売買価格以外にさまざまな費用が発生します。

その費用について、例えば、契約書に貼付する印紙代、登記に要する費用はどちらが負担するのか、

固定資産税や水道光熱費、町会費、マンションの場合は管理費・修繕積立金など、清算が必要な場合はどのタイミングでどのように清算するのかについても、

事前に取り決めて、契約書に明記しておくことが大切です。

 

引渡しおよび登記(所有権移転)の時期

不動産取引では、買主はその物件の引渡しと、買主名義への所有権移転登記が完了してはじめて、その不動産を確実に取得したことになります。

法律面では、所有権の移転日をもって所有者としての権利義務が移転することとなりますし、

税金面では、所有権の移転日をもって取得の日とすることができ、その日から所有期間の計算が始まることになります。

このため、物件の引渡し時期と共に、物件の所有権がいつ移転するかについても、明確に定め、契約書に記載しておくことが重要です。

また、その不動産に売主の抵当権が設定されている場合もは、どのタイミングでその抵当権を抹消するかについても取り決めておきましょう。

 

危険負担

例えば、戸建住宅の売買契約を締結した後、その引渡しの前に建物が近隣の火事の類焼など、売主の不可抗力によって焼失してしまい、契約どおり買主に建物の引渡しをすることができなくなったとします。

このような危険をどちらが負担するかというのが危険負担です。

民法では、「買主は売買代金全額を支払わなければならない」と規定しています。

しかしこれでは、取引の公平性から問題ですので、実際の不動産取引では特約で、「危険負担は買主ではなく売主が負い、修復可能で売主の負担で修復できるときは契約を継続し、修復不可能な場合や修復に多大な費用を要する場合は契約を解除する」と定める場合が多いようです。

もちろん、危険負担は責任の所在が売主でも買主でもない場合のことであり、売主が火事を出してしまった場合は、「売主の債務不履行」ということになります。

 

瑕疵担保責任

瑕疵(かし)とは法律用語で、欠陥や不備などを意味します。

売買した建物や土地に、取引時に発見できなかった瑕疵(隠れた瑕疵)があった場合、売主はそのような隠れた瑕疵があったことを知らなかった場合であっても、その責任を負わなければなりません。

これを売主の「瑕疵担保責任」といいます。

隠れた瑕疵としては、次のようなものがあげられます。

・屋根裏に雨漏りがしている。

・シロアリの被害で土台がかなり傷んでいる。

・撤去するのに相当な費用を要する産業廃棄物などが地中に埋まっている。

・土地が都市計画道路に決定されていて建物を建築することができない。

 

瑕疵には土地や建物そのものに対するもの以外に、法律的な欠陥も含まれるとされています。

 

このような瑕疵の存在を知らずに契約した買主は、売主に損害賠償を請求することができます。

さらに瑕疵が原因で契約の目的を達することができないと判断されるときには、契約を解除することもできるのです。

 

民法では、買主が損害賠償や契約解除の権利を行使することができるのは、瑕疵を知ったときから1年以内と規定しています。

ただし、瑕疵担保責任は任意規定ですので、特約により売主の責任を免除したり、内容を変更したりすることができます。

しかし、宅地建物取引業者が売主の場合は、瑕疵担保責任につき買主が権利行使することができる期間を、最低でも引渡し日から2年以上の期間と定めなければなりません。

また、民法の規定により買主に不利となる契約をしてはならないことになっているので、売主の責任を免除するような特約は無効となります。

 

違約金

売主や買主がその契約に定めた条項を履行しない場合、その相手方に対し損害賠償の請求をすることができます。

しかし、損害の額がどのくらいであるかお互いに確認するのには手間や時間がかかりますよね。

そのため、あらかじめ契約で損害賠償の額または違約金の額を定めておくといいでしょう。

 

条件付売買契約

売買契約には一定の事実(条件)が生じた場合に契約の効力を発生、消滅させる条件付契約があります。

・停止条件付契約
一定の事実が生じた場合に契約の効力が生じる契約のことを「停止条件付契約」といいます。

売買契約に停止条項が盛り込まれている場合は、その条件が満たされない限り売買契約の効力は発生しないことになります。

例えば「建物建築条件付」の土地を購入する契約では、「売主が指定した建設業者で家を建てる」という条件がつくことになります。

この建築業者との契約が一定期間内に締結されたときにはじめて、土地の売買契約の効力が発生するのです。

(平成15年の規則改正により建物建築条件付売買については、解除条件とすることもできるようになりました)

・解除条件付契約
一定の事実が生じた場合に契約の効力が消滅する契約のことを「解除条件付契約」といいます。

売買契約に解除条項が盛り込まれている場合は、その条件が生じたとき、売買契約は無効となります。

解除条件付特約には代表的なものに、「住宅ローン特約」と「買換え特約」があります。

「住宅ローン特約」とは、買主が住宅ローンを借りられなかったときには、その売買契約の効力が失われるというものです。

また、「買換え特約」とは、買主が別の不動産の売却代金をその不動産の購入代金に充てる場合、売却ができなかったときには、購入する売買契約の効力が失われるというものです。

したがって、解除条件付特約条項のある売買契約は、その契約が締結されていても、解除条件が生じると契約日にさかのぼって効力が失われることとなるため、解除条件の不成就が確定するまでは契約の効力が確定的でないことになります。

 

まとめ

このように、契約の際に気を付けておきたいポイントがいくつかあります。

難しい言葉もあり、すべて覚えておくのは大変ですが、

今回の記事を一度読んでおけば、実際に契約する時に「ああ、このことか」と思い出していただけるのではないでしょうか。

最低限チェックしておきたい事一覧!不動産売買の基礎知識

最低限チェックしておきたい事一覧!不動産売買の基礎知識

不動産を購入する際には、「これだけはチェックしておきたい」というポイントがいくつかあります。

 

物件の状態や環境、法律や権利などのチェックポイントと、

チェックする時の注意点を紹介しようと思います。

 

周辺環境

物件からの交通アクセスは?学校やスーパーなどの生活施設までの距離は?

自分にとってあまり好ましくない施設はない?

新しい生活を始めるうえで、周辺の環境は極めて重要です。

現地へ何度も足を運び、状況をしっかりと確認しましょう。

その場合は、曜日、天気、昼・夜など異なった条件での確認が大切です。

平日と祝祭日とでは、車の交通量や騒音がずいぶん違っていたりしますし、雨の日の水はけの様子も知りたいですよね。

明るい時は気づかなかったけど、夜に歩いてみると思ったよりも暗くて不安を感じるということもあるかもしれません。

お子さんの多いマンションなどでは、敷地内で遊ぶ声が気になるという人いますので、そういった点も確認しておきましょう。

 

不動産広告などで「駅より徒歩〇〇分」といった表示をよく見かけますが、これは規約で80mを1分として計算することになっています。(80mに満たない場合は繰り上げるため、例えば810mの場合は11分となります。)

この場合、坂道や信号の待ち時間は考慮されていませんので注意しましょう。

実際に自分で歩いてみると、上り坂や信号・踏切で意外と時間がかかることもあります。

 

また、電柱の位置やごみ置き場については案外見落としがちです。

これらの状況によっては、せっかく土地を購入しても思ったようなプランで建物が建てられなかったり、

ごみ置き場の近くに駐車場を作ってしまい、思うように車の出し入れができないという事になるかもしれませんので確認が必要です。

 

地形・日照・方位など

土地の面積は広くても、その地形によっては思うような規模の建物が建てられない場合がありますし、

南側に道路が接しているから日当たりが良いだろうと思っても、道路が狭くその向かい側に高い建物が建っていたりすると陽当たりは望めません。

このように、地形・日照・方位・周辺の建物の確認は重要です。

 

地形と方位は図面でも確認することができると思うかもしれませんが、不動産業者が作成した図面は概略図面であることが多く、方位などが正確でない場合もあります。

土地家屋調査士が作成した正確な図面を入手して確認するか、方位磁石を持参して実際に現地で確認した方が良いでしょう。

また、自身で建物の建築を依頼したり、工事完成前の物件を購入する場合は、日照や眺望がどのようになるか、設計図や日照図を基に詳しい説明を受けることが大切です。

 

周囲に広い空地がある場合は、風通しや陽当たりが良いと思うかもしれませんが、

そこに高層のマンションなどが建築される可能性もありますので、その土地の利用計画についても事前に確認しておくことが必要です。

 

面積

登記面積(登記簿に記載されている面積)と、実測面積(実際の面積)は違っている場合が多くあります。

土地を登記面積で売買する場合は、後で実測面積と差異があることが分かっても売買代金の清算は行われません。

ですので、実測面積が登記面積と大きく違っていないか事前に確認することが必要です。

 

境界

隣地との境界がどのようになっているかは、土地の取引においてきわめて重要です。

しかし、境界線そのものが土地の上に明確に表示されているわけではありません。

境界を確認する図面として公図が多く使われていますが、公図は、そもそも地租の徴収を目的とした土地課税台帳に基づいて作成されたものであるため、土地の大まかな位置や形状を表しているだけであって、現況と異なる場合が多いのです。

 

そこで、土地の購入にあたっては地積測量図の有無を確認することが必要です。

地積測量図の作成には、隣地所有者の立会いが必要となりますが、立ち合いに関する署名捺印がないと、境界の合意があったか同課が不明確ですので必ず署名捺印の入った地積測量図を入手しましょう。

また、そのような測量図がない場合には売主の責任と負担で立会い済みの測量図を作成してもらい、

境界には境界石やプレートをいれてもらうように依頼しましょう。

 

また、地積測量図を基にした境界線から塀、庭木の枝、建物のひさし等が越境していないか、逆に越境されていないかについても確認しておく必要があります。

 

設備

建物内部の設備については、図面で把握することが困難です。

例えばテレビや電気、電話のコンセントの位置は家具の配置に大きく関わってきますが図面だけではなかなか分かりません。

また、図面で見ていたよりも実際の方が柱や梁が大きく出ていたという事があります。

図面どおり窓があったが、隣家と接近しすぎていて開けることができないという事も。

マンションや建売の新築住宅、中古住宅を購入する際は、事前に室内の状況をしっかりチェックしておきましょう。

 

瑕疵(かし)について

瑕疵とは欠点や欠陥、一般的に備わっているべき機能の欠如という意味です。

土地

建物を建てる上での基礎となる地盤。

耐震性の観点から震度5程度の地震に対する安全性が求められるとする裁判例があります。

過去に行った地盤調査のデータを基にした地図を公開しているサイトがあるので、これを参考に調べてみるとよいでしょう。

また、産業廃棄物が地中に埋まっていたり、化学薬品で土壌が汚染されている場合に瑕疵を認定した裁判例もあります。

気になるようであれば、購入前に、土地の来歴についても調べた方がいいかもしれません。

 

さらに、土地には、建ぺい率、容積率、接道条件など様々な法令上の制限があり、

それらによって建てられる建物の大きさや形状が変わってきます。

当該土地にどのような法令上の制限があるかを調べて建物を建てる必要がありますが、調査については専門家に任せた方が確実です。

建物

中古建物については、雨漏りの有無、修理の履歴、設備の交換状況などを専門家に調査してもらうと安心です。

天井に雨漏りの跡があるかなど、一般の人でも気づけることもありますが、

設備に関することや、床下や天井裏などの調査は専門家でなければ難しいですよね。

シロアリにより浸食されていた場合はもちろん、天井裏に多数のコウモリが生息していた場合なども、瑕疵と認められますので、購入前の調査が重要です。

 

さらに、購入した建物でかつて自殺や殺人があったとなれば、心理的に住みにくさを感じますよね。

このような過去に起こった嫌悪すべき事態に起因する「心理的欠陥」も瑕疵となります。

 

中古建物の場合は、建物や土地の来歴について、売主からだけでなく、近隣の情報も含めて調べてみることが必要です。

 

マンション管理規約

マンションには、管理規約や使用細則が定められています。

 

ペットの飼育は可能なのか、またその場合の細則は?

事務所やエステサロンなどの事業目的での使用が認められているか?

リフォームをする場合の届け出の規定や、防音上の規制はあるのか?

管理人は常駐なのか日勤なのか?

など、マンションならではのチェックポイントがありますが、

マンションを購入しようとする場合は、あらかじめ管理規約等でこれらの内容を確認しておくことが必要です。

 

また、修繕積立金の積み立て状況や長期修繕計画、大規模修繕計画の有無や内容等についてもあわせて確認しておく必要があります。

 

違法建物・不適格建物

建物の中には、建築当初から(もしくはその後の増改築によって)、建ぺい率や容積率を超えているなどの違法なものがあります。

また、建築当初の法令では適法であった建物でも、その後の法令改正、新法の施行により現状の法令では不適格となっているものもありますので、現行の法令に適した建物であるか、確認することが必要です。

現行の法令に適していない場合、建て替える際に同等の建物を建てることができないことがあります。

 

法令上の制限(重要事項説明)

不動産を取り巻く法律には、開発・建築を規制する内容のものや取引を規制する内容のものなど、数多くあります。

不動産業者が売主である物件や、仲介した物件は、売買契約を結ぶまでにその物件や地域などに関する重要事項について説明した「重要事項説明書」を作成・交付し、都市計画法や建築基準法などの法令に基づく規制について書面を用いて説明することが義務付けられています。

 

重要事項説明は不動産に関する専門知識を有する宅地建物取引士が行わなければならず、重要事項説明書には宅地建物取引士の記名押印が必要です。

 

「重要事項説明書」には不動産や法律の専門用語が並ぶため、一度で理解するのは難しいこともあります。

重要事項説明が売買契約の直前になる場合は、事前に書類のコピーを受け取り、細かいところまで読んでおくといいでしょう。

重要事項説明時には、不明点を遠慮なく質問して、納得してから売買契約に進むことが大切です。

 

権利

取引の対象となる不動産にどのような権利が設定されているのか調査することは、

その不動産を他の権利による制限のない「完全なる所有権」として取得するうえでとても重要です。

ここでは、権利関係の確認方法について説明します。

 

・所有者の確認
売主が、購入を希望する不動産の正当な所有者であるか確認することが必要です。

一般的な確認方法としては、「登記簿」の確認があります。

登記簿は表題部(不動産の表示)、権利部(不動産の権利)から構成されており、権利部の甲区欄を見れば現在の所有者がわかります。

しかし、何らかの理由で登記簿に記載されている内容が事実と異なっていることもあります。

売主が登記簿に記載されている所有者と異なっているなど十分に信頼できない場合には、「権利証」や「購入時の売買契約書」など所有権が売主にあることを証明する資料の提示を求め、正当な所有者であることを確認することが必要です。

 

・そのほかの権利の確認

登記簿の権利部の乙区欄を見れば、「賃借権(その物件を借りている人がいる)」や「抵当権(その物件がローンなどの担保となっている)」など、所有権以外の権利が登記されているかがわかります。

通常の売買契約においては、「売主は売買の目的物件について買主の所有権の行使を阻害する一切の負担を除去抹消しなければならない」と定められています。

しかし、賃借権や抵当権が登記されたままでは、所有権の移転登記がなされても、他の権利による制限のない完全なる所有権を取得したことにはなりません。

これらの登記がいつまでに抹消してもらえるかをはっきりさせることが必要です。

「借地権」「借家権」など、登記されていなくても借主の権利として保護される権利もありますので、

登記簿だけでなく契約書や表札などで、これらの権利の有無についても確認しておくことが必要です。

 

まとめ

このように、不動産を購入する前に最低限確認しておくべきことがいくつかあります。

少し難しい内容になってしまった部分もありますが、後で後悔しない不動産取引をするために覚えておいてください。

 

売買の際にかかる諸経費って?不動産の基礎知識

売買の際にかかる諸経費って?不動産の基礎知識

不動産の売買には、色々と経費がかかってきます。

購入の際には物件そのものの代金の他にいくら資金を用意する必要があるのか、

現金で用意しなくてはならない物もあるので、キチンと把握しておく必要があります。

売却の際も、売却代金から諸経費を支払うといくら手元に残るのか、

売却資金で住み替えを考えている場合は特に重要となりますね。

 

諸経費には下記のようなものがあります。

 

仲介手数料

不動産の売買で仲介(媒介)を不動産業者へ依頼する時には、その不動産業者と媒介契約を結びますが、

その「媒介契約書」には依頼する期間や条件などと共に「媒介報酬」の額が定められます。

これが、仲介手数料です。

 

仲介手数料については国土交通省の告示によりその上限が決められていますので、

業者によって、極端に多く請求されるようなことはありません

 

仲介手数料は、売買契約成立時にその半額を、決済(残代金の支払いと引き渡し)時に残りの半額を支払う方法が大半です。

 

正式な計算式もありますが、今回は簡単な速算法をご紹介します。

速算法
売買価格×4%+2万円+消費税(売買金額が200万円超400万円以下の場合)
売買価格×3%+6万円+消費税(売買金額が400万円超の場合)

 

<計算例>

3,000万円でマンションの売却が成立した場合の仲介手数料

3,000万円 × 3% + 6万円 = 960,000円

960,000円+(960,000円×8%)=1,036,800円

したがって、仲介手数料の上限額は103万6,800円となります。

 

印紙代

不動産を売買するときの「売買契約書」や、住宅ローンなどを借り入れるときの「金銭消費貸借契約書」などは、『印紙税の課税文書』に該当します。

それぞれの契約を締結する際には、印紙税法で定められた所定の額の『印紙』を契約書に貼らなければなりません。

印紙税の納付は所定の額の収入印紙を文書に直接貼付することにより納めたことを証明する方法と、

税務署の「税印押なつ機」による印字によって納めたことを証明する方法とがあります。

 

中古不動産の売買では、仲介にあたった不動産業者が印紙の貼付に関する説明をしてくれないことがあります。

このため、印紙が必要な事に気づかず契約書に印紙を貼っていないことも・・・。

「住宅ローン控除の申告」や売却に伴う「確定申告」等では、税務署に売買契約書のコピーを提出しなければならないため、そのときになって税務署などから指摘を受けるという事もありますので、注意しましょう

 

例えば・・・

契約書に記載された金額が500万円超~1,000万円以下の場合は5,000円、

1,000万円超~5,000万円以下の場合は1万円の印紙税が必要です。

 

測量費用

以前は、公簿面積(登記簿に載っている面積)での売買が一般的でしたが、

最近は、買主側から土地の境界を確定した上での実測面積による売買を求められるケースが増えています。

そういった場合には、「土地家屋調査士」に依頼して測量を行うことが必要となります。

 

測量により隣地や道路との境界を明確にし、対象地の位置や面積が確定すると、

「測量図」を作成し売買契約書に添付することになります。

 

民法では、『売買契約に関する費用は当事者双方平分してこれを負担する』と定められていますが、

不動産取引では、「売却対象物件を明確にする」という観点から測量費用は売主側が負担するよう特約で定める場合も多くあります

後々のトラブルを防ぐためにも測量費用は売主・買主のどちらが負担するのか、あらかじめ話し合って決めておきましょう。

 

不動産を購入する時にかかる その他の費用

税金

不動産を取得した際には「不動産取得税」「登録免許税」の支払いが必要です。

これらは条件によっては税法上の特例を受けることができます。

 

登記費用

不動産を購入した時には「所有権の移転登記」や住宅ローンを利用する場合は「抵当権設定登記」をすることになります。

登記にあたって、司法書士、土地家屋調査士依頼に依頼して登記申請書類を作成してもらう場合には「登録免許税」の他に、その報酬も必要となります。

もちろん、自分で登記手続きを行えば登録免許税のみで報酬を支払う必要はありませんが、

専門家に依頼した方が不備や誤りもなく、安心して権利移動が行えるでしょう。

 

火災保険料・生命保険料

購入した住宅が焼失。あとには莫大な借入金だけが残りました・・・

なんてことになったら困りますよね。

そのために、建物を購入する際には「火災保険」や「地震保険」に加入するのが通常です。

また、購入者が死亡したり重度障害状態になって残された家族が借入金の返済に困ることのないように、「生命保険(団体信用生命保険)」にも加入することが必要です。

これらの保険料を支払わなくてはなりません。

購入代金がすべて自己資金で支払われている場合は任意の加入となりますが、住宅ローンを借りる場合はこれらの保険への加入が融資の条件となる場合があります。

団体信用生命保険は、融資を受ける金融機関によっては保険料をローンの金利に上乗せして支払う場合があったり、

三大疾病保障付き、七大疾病保障付きなど、特約付きの物もありますので、調べておきましょう。

 

ローン保証料等

住宅購入代金の融資を受ける時、連帯保証人を立てることを求められる場合があります。 

この連帯保証人に代わって保証してくれるのが保証会社で、

保証会社に連帯保証を依頼するために支払う費用が「ローン保証料」です。

(※連帯保証人が不要の場合でも、金融機関によっては信用保証会社の保証を受けることを条件にしているところがあります

ローン保証料は、保証料として別途支払うタイプと、毎月の返済額に金利の上乗せとして保証料が含まれるタイプとがあります。

 

清算金

固定資産税、都市計画税、水道光熱費、マンションの場合の管理費等については、売主・買主が所有する期間に応じて負担することになります。

そこで、不動産を購入した時点以降の分を計算して「清算金」という形で支払います。

 

引越費用など

購入した住宅へ引越すための費用が必要になります。

引っ越しを機に家具や家電を新しくする場合には、購入費用や処分費用もかかりますね。

また、新築マンションを購入した場合に、最近では「修繕積立基金」として数十万円の一時金が必要になる場合もありますので、事前に確認をした上で資金計画を立てることが重要です。

 

その他

中古物件の購入の際に、買主側から建築士に物件の調査を依頼した場合、別途費用が発生します。

 

まとめ

このように、不動産を売買する際には色々な費用が発生します。

後から、思わぬ費用がかかることが分かって慌てるなんていうのはイヤですよね。

これらの費用についてきちんと把握し、しっかりとした資金計画を立てましょう。

不動産の価格ってどうやって決まるの?不動産売買の基礎知識

不動産の価格ってどうやって決まるの?不動産売買の基礎知識

不動産の適正な価格を知ることは、正しい取引をする上でとても重要です。

 

でも、そもそも不動産の価格って、どのようにして決められるのでしょうか?

一般の私たちが適正価格を把握するにはどのような方法があるのでしょうか?

 

土地の価格の種類

土地の価格には、「実勢価格」「公示価格」「基準地標準価格」「相続税評価額」「固定資産税評価額」など様々あります。

このうち「実勢価格」は、実際に売買された取引価格や周辺の取引事例等から導かれるものですが、

それ以外は、それぞれの目的や利用方法に応じて評価担当者(国土交通省・国税庁・市町村など)が各評価基準等に従って価格を算出しています。

 

価格の形成

不動産の価格は、基本的には「その建物を作るために要した費用」「周辺不動産の取引価格」「その不動産から今後得られるであろう収益(賃貸アパートなどの収益用不動産)」などを要因として決まってきます。

 

住宅性能に付加価値(耐震、省エネ、バリアフリーなど)がある場合には、価格に上乗せされることもあるでしょう。
また、中古建物の場合は、再調達原価(建物を再び調達する時の新築価格)に経過年数などを乗じるなどして価格を算定する方法もあります。

これに、「売急ぎ」や「買急ぎ」などの個別事情が反映されるわけですが、これらの個別事情が影響するのは特別な場合と考えて良いでしょう。

 

不動産業者に取引の仲介を依頼する場合は、これらの要因を考慮して販売価格を査定しますので、

通常の場合は市場価格からそんなに外れた価格を付けることはありません。

ですので、周囲の取引事例と比べてかなり安い価格の付いている物件の場合は何か価格を引き下げる要因があるものと考えた方が良いでしょう。

 

市場価格よりかなり安く物件を売却してしまったり、実際の価値に見合わない高い物件を購入してしまったりしないよう、その不動産の適正価格を知っておくことが大切です。

 

では、具体的にどのような方法で適正価格を知ることができるのでしょうか?

適正価格を知ろう

・「公示価格」「基準地標準価格」から推定する

一般に公表されている土地の価格として、「公示価格」「基準地標準価格」があります。

公示価格・・・国土交通省が全国に定めた地点(標準地)を対象に、毎年1月1日現在の価格を公示するもの。

基準地標準価格・・・都道府県知事が毎年7月1日現在の基準地の価格として発表する価格のことであり、公示価格を補完する役割を担っている。

 

 

国土交通省や都道府県のHPなどから閲覧することができますので、

近隣地域の公示価格や基準地標準価格と比較して、対象となる土地の価格を推定しましょう。

 

・周辺の取引事例や売出価格を参考にする

住宅情報誌やインターネット、新聞の折り込み広告などで、近隣の物件がいくらくらいの価格で取引されているのか調べてみましょう。

ただし、中古物件は売出価格をもとに、価格交渉をして最終的な取引価格が決定されることが多いため、

必ずしも売出価格と成約価格が一致しているとは限らないということに注意が必要です。

 

また、国土交通省は、実際に取引された事例のうち、取引価格を把握できたものを市町村ごとに公開しています。

国土交通省のホームページにアクセスして取引情報を閲覧してみましょう。

 

・不動産鑑定士に依頼する

不動産の適正価格を知りたい場合、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する方法があります。

 

「不動産鑑定士」・・・不動産の価格を鑑定評価する専門家であり、国家資格です。

 

不動産鑑定士は対象の不動産の周辺環境や、様々な条件を考慮して適正な価値を判定し、「鑑定評価書」として交付します。

ただし、鑑定には「鑑定評価報酬」が必要となります。

 

・不動産業者に査定してもらう

最も簡単な方法は不動産業者に価格査定をしてもらうか、インターネットの査定サイトを利用することでしょう。

 不動産業者に価格査定を依頼した場合は評価額だけでなく、なぜそのような価格になったのか、

査定の理由についても確認しておくと良いでしょう。

 

新築住宅と中古住宅の価格

一般に建物は築年数の経過とともに価格が下がります。

また、同じような条件の新築住宅と中古住宅が同じような価格で売られていた場合、普通は新築物件を選びますよね。

ですので、中古住宅は同じような新築住宅とも比較して、価格が設定されることになります。

(新築住宅と中古住宅とでは適用される減税の特例や、受けられる融資の額や利率が異なる場合がありますので事前に調べておくことが大切です)

 

まとめ

不動産の価格がどのようにして決まるか、お解りいただけましたか?

不動産の売買は一生にそう経験することのない大きな取引です。

適正な価格を知って、不動産取引で失敗しないようにしましょう。

 

不動産売買はプロにお任せ?不動産売買の基礎知識

不動産売買はプロにお任せ?不動産売買の基礎知識

 新築の戸建住宅やマンション、分譲地などは不動産会社が事業主として広く購入者を募ります。

これに対して中古物件の場合の売主は、一般の個人や法人です。

 

一般の個人が、売買の取引相手を見つけるにはどのような手段があるのでしょうか?

 

不動産業者へ依頼する時にはどんなことに気を付ければ良いのでしょうか?

 

中古物件の売買相手は自分で探す?

中古物件を売る

中古物件を売る時に、売主が自分で買主を探す場合と、不動産業者に探してもらう場合がありますが、

それぞれにメリット・デメリットがあります。

 

自分で探す場合のメリット

・仲介手数料の支払いが不要

 

自分で探す場合のデメリット

・売却物件の情報公開の範囲が限定的

(個人売買では不動産情報ネットワーク(レインズ)への登録ができない)

・専門知識の不足から、トラブルが発生する危険性が高く、個人では対応が困難。

(大手の不動産仲介業者では、「購入後の瑕疵担保責任は仲介業者が負担する」、としているところも多くあります)

・契約書や重要事項説明書など書類を自分で作成しなければならない。

 

不動産業者に探してもらう場合のメリット

・売却物件の情報を広く公開できる。

(折り込みチラシや不動産情報サイトへ登録などの広告料は不動産会社負担)

・専門知識をいかして、売り主との間に立って条件などを調整してもらえるので、トラブルが少ない。

・契約書や重要事項説明書など書類の作成を代行してもらえる。

 

不動産業者に探してもらう場合のデメリット

・仲介手数料の支払いが必要

(仲介手数料については国土交通省告示によりその上限額が定められていますが、

例えば3,000万円で売買が成立した場合は103万6,800円を上限として、不動産業者へ支払う必要があります。)

 

 買主を広く探したり、諸条件の調整、書類の作成などを円滑にこなすには、手数料は発生しますが専門の不動産業者に依頼した方が安心と言えそうです。

 

中古物件を買う

中古物件の購入をする場合も、インターネットの普及により個人での情報収集が容易になりました。

しかし、不動産業者のみ閲覧することができる情報ネットワークもあり、個人では幅広い情報を得るのが難しいというのが現状です。

仮に気に入った物件が見つかったとしても、売り主と直接連絡が取れなければ、物件情報を掲載している不動産業者に仲介してもらう必要があるでしょう。

また、売主と直接価格や条件の交渉をするのはなかなか難しい面もあるので、

やはり、不動産業者に仲介してもらうことをお勧めします。

 

不動産業者を選ぶ時はここに注意!

不動産の売買はプロ(不動産業者)へ依頼した方が安心だということはお分かりいただけたと思います。

しかし、残念ながらすべての不動産業者が誠実に営業していているとは限りません。

 

信頼して任せられる業者を選ぶためのポイントをご紹介しましょう。

 

宅地建物取引業者票

不動産業(宅地建物取引業)を行うには、国土交通大臣か都道府県知事の免許が必要です。

そして、事務所ごとに免許の番号や有効期間などを記載した「宅地建物取引業者票」を掲示することが義務付けられています。

「宅地建物取引業者票」には大きさの規定があり、必ずお客さんから見えやすい場所に掲示しなければなりません。

また、免許番号は

(例)国土交通大臣(3)第〇〇〇〇号

のように記されますが、カッコ内の数字は更新の回数を示しています。

法律で処分されるような大きな事故を起こすと免許の更新はできないため、

更新回数が多い免許番号は、信頼度を探る目安となるでしょう。

顧客本位の実直な営業をしようと新しく設立された不動産業者もあるので、あくまでも参考までに)

この「宅地建物取引業者票」が目につく場所に掲示されていないとなると、かなり問題があります。

宅地建物取引業者名簿

各都道府県の不動産業課などに備え付けてある「宅地建物取引業者名簿」を閲覧すれば、

さらに詳しく、その業者について知ることができます。

「業務経歴書」では取引実績や、行政処分の有無が分かりますし、

「財務諸表」からは財務状況に問題がないかを知る事ができます。

また、事務所の所在地や役員が頻繁に変更になっていないか、従業員の移動が激しくないかも見ておきましょう。

手続きの説明

各不動産業界団体では、客様に対し、売却・購入に至るまでの全体の手続きが、どのような流れになるかを説明した書面を交付するよう会員業者を指導しています。

この書面を交付してくれるかどうかも、誠実な営業をしているかどうかを見るポイントになるでしょう。

近隣の評判

近隣の人や、以前にその不動産業者と取引したことのある人に、仕事ぶりや対応の仕方、近所での評判を聞いてみるのもいいかもしれません。

処分情報

国土交通省や都道府県のHPに過去5年間の宅地建物取引業者の処分情報が掲載されています。

業者に関して心配だと思った場合は調べてみるのも良いでしょう。

担当者

担当者の対応によってその業者がどのような営業をしているかがわかります。

身だしなみや言葉遣いがちゃんとしていることは大前提ですが、

のメリットだけでなく、デメリットもきちんと説明してくれるか、

こちらの質問にきちんと答えてくれるか、

希望と異なる物件の購入を強引に進めてこないかという点にも注意しましょう。

競合物件や競合業者をけなすような言動が多い場合も信用できませんよね。

業者自体に問題がなかったとしても、担当者に信頼感が持てなければ気持ちよく契約をすすめることはできません。

 

業者が決まったら

媒介契約

不動産業者に仲介(媒介)業務を依頼する場合には、どのような条件で媒介活動を行うかなどを明記した媒介契約を締結することになります。

媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、依頼者がどの契約にするかを選択します。

依頼する側としてそれぞれの違いを知り、自分にあった媒介契約を結ぶ必要があります。

 

・専属専任媒介契約

依頼者は1社の不動産業者にのみ媒介を依頼できる契約で、自分で親せきや知人などから取引の相手方を探すことも禁止されています。

不動産業者は、依頼された物件の情報を指定流通機構(レインズ)へ契約後5日以内に登録して情報を一般に公開し、広く相手方を探す活動をしなければなりません。

また、1週間に1回以上の業務処理状況の報告(お客さんを案内した数、広告の方法・反響など)が義務付けられています。

専属専任媒介契約の有効期間は3ヵ月を超えることはできません。

 

不動産会社にとっては確実に仲介手数料の確保ができるため、積極的な売却活動が期待できます。
また、毎週販売状況の報告がされるため、依頼する側も現状を把握しやすいというメリットがあります。

 

・専任媒介契約

依頼者は1社の不動産業者にのみ媒介を依頼できる契約ですが、自分で取引の相手方を探すことは認められています

不動産業者は、依頼された物件の情報を指定流通機構(レインズ)へ契約後7日以内に登録しなければならず、2週間に1回以上の業務処理状況の報告が義務付けられています。

専任媒介契約の有効期間は3ヵ月を超えることはできません。

 

専属専任媒介契約と同じように積極的な販売活動が期待できますし、自分で探すことができるというメリットもあります。

ただ、指定流通機構への登録が少し遅くなったり、状況の報告が少なくなるというデメリットはあります。

 

・一般媒介

依頼者が複数の不動産業者に媒介を依頼することができる契約です。また、自分で取引の相手方を探すことも認められています

一般媒介の有効期限はありません

 

他社よりも先に成約させなければ仲介手数料が発生しないため、不動産会社が競争し、早くに売買が成立する可能性があります。

ただし、あまり需要のない物件に関しては、経費と時間を掛けてまで積極的に売却活動をしてくれないかもしれません。

 

トラブルに巻き込まれないために

平成17年4月1日から個人情報保護法が完全施行されています。

個人情報取扱事業者は、ホームページ等で個人情報保護方針等を公表していますのでその内容を確認し、よく理解することが必要です。

 

また、平成20年3月1日に完全施行された『犯罪による収益の移転防止に関する法律』により、

「取引にあたり顧客等について取引時確認を行い、取引時確認記録を7年間保存すること」

「顧客との取引記録を7年間保存すること」

「その取引で収受した財産が犯罪による収益である疑いがある場合には、一定の事項を監督官庁に届け出ること」

が、義務付けられています。

 これにより、個人顧客については本人確認書類での本人特定事項(氏名、住居、生年月日)の確認を求められることになりました。

(本人確認書類のうち、健康保険被保険者証のように顔写真のついていないものについては、他の本人確認書類または公共料金の領収書などの補完書類の提示が必要です)

 

そして、権利証、委任状、実印、印鑑登録証明書などを不動産業者に預けることは極力避けた方が良いでしょう。

どうしても預けなくてはならない場合は、使途、期間などをきちんと確認し、必ず預り証を発行してもらうことが必要です。

 

 また、委任事項等が記載されていない委任状(白紙委任状)を要求する不動産業者もあるようですが、仲介を依頼する段階で白紙委任状が必要になることはありません

 

まとめ

信頼できる不動産業者の選び方、それぞれの媒介契約の違いなどお分かりいただけましたか?

大切な不動産の売買です。

少しでも知識を身に着けて、安心して取引をしましょう。

 

不動産を買う前に準備しておこう!不動産売買の基礎知識

不動産を買う前に準備しておこう!不動産売買の基礎知識

家の購入を考えるきっかけは、

 

結婚を機に賃貸から持ち家に。

家族が増えたのでもっと大きな家に住みたい。

子供が独立したのでもう少し手頃な家に住み替えたい。

 

など様々ですが、住宅は大きな買い物。人生でそう多く体験することではありません。

だからこそ、気持ちよくスムーズに購入したいですよね。

 

そこで、不動産を購入する際に必要となる最も基本的な知識・注意点についてお伝えしようと思います。

 

 

不動産を買う前に決める事・準備しておく事

 

◆予算

まず、最も重要になるのがやはり予算。

自分はいくらぐらいの資金を準備することができるのかを知っておくことが必要です。

 

すべての費用を自己資金で賄うという人はなかなかいませんよね。

買い替えの場合は売却資金を充てることができます。

また、親族からの援助があるかもしれませんが、残りは住宅ローンを組むのが一般的でしょう。

 

住宅ローンは現在の収入によって、いくらまで融資が受けられるのかが変わってきます。

融資が受けられたとしても月々の返済がいくらになるか、その額を返済をしながらの生活に問題はないかなども考えなければなりません。

 

購入したけど結局手放すことに・・・と、ならないように

しっかりとした資金計画を立てましょう。

 

 

不動産購入には、本体の価格とは別に、

仲介手数料、登記費用、印紙代、不動産取得税、融資保証料、火災保険料、固定資産税などの清算金、引越費用などの諸費用もかかります。

これらの費用は基本的に現金による支払いが一般的ですので、自己資金として資金計画に入れておく必要があります。

 

 

◆地域は?

どのエリアで探すかも決めておかなければなりません。

まずは希望のエリアで探して、満足のいく物件が見つからない場合は、物件が出るのを待つかエリアを拡大するかという事になるでしょう。

この時、あまり狭い範囲にこだわるのではなく、ある程度希望のエリアを広く定めておくことも必要かもしれません。

 

◆戸建て住宅かマンションか?広さ・間取りは?

戸建て住宅が良いかマンションにするか、また新築か中古かというのも検討することが必要です。

それぞれの、メリット・デメリットを考慮して、しっかりと家族で話し合っておきましょう。

 

最近は中古物件をリフォームして、新築のような状態で住まわれる人も増えているようです

(リフォームを検討する場合には構造上リフォームが出来ない場合や、マンションの管理規約などでリフォームが制限されている場合があるので確認しておくことが必要です)

 

また、物件の条件に関してもあらかじめ決めておくことが重要です。

物件の条件には、方位・広さ・間取り・マンションの場合は階数など様々なものがあります。

その中で、どうしても譲れないものや優先順位を決めておくと、物件探しがスムーズになりますよ。

 

まとめ

以上が不動産を買おうと思ったときに、まず決めておく事、準備しておく事です。

不動産売買には、関係する法律など、普段の生活ではなかなか出会わない難しいことも多いと思いますが、

少しの知識を身に着けるだけでも、スムーズに気持ちよく売買ができると思います。

 

この他にも、もっと詳しい情報をどんどん発信していきますので、

ぜひ、参考にしてみて下さい。

 

不動産を売る前に準備しておこう!不動産売買の基礎知識

不動産を売る前に準備しておこう!不動産売買の基礎知識

 

不動産の購入は人生で最も大きな買い物と言われますよね。

売る時もしかり。

大きなお金を動かすことになるので、失敗したくありませんし、不安はつきものです。

ここでは、不動産を売却する際に必要となる最も基本的な知識についてお伝えしようと思います。

 

不動産を売る前に決める事・準備しておく事

 

◆仲介か売却か

 

不動産の売却には、仲介と買取があります。

仲介は不動産会社に買主を探してもらい、売買の契約が成立すると仲介手数料を支払うという売却方法です。
買取は不動産会社自体に買い取ってもらう方法で、手数料はありません。

手数料の面だけ見れば、買取の方が有利なように思えますが、

仲介で売る場合の価格に比べると、買取価格はその6割程度が相場と言われるので、価格面では仲介の方が有利です。
ところが、仲介は買主がいなければ、いつまでも売れないというリスクがあるため、

早く売却したいので買取を選ぶという人もいます。

 

◆売却の時期

不動産の売却は
お任せする不動産会社を決めて、比較的早く買主が見つかったとしてもそれで終わりではありません。
売買代金の受け取りや諸費用の清算に関する手続き、登記に関わる作業があります。
そもそも、買主が決まるまでにも価格交渉があったり、買主が住宅ローンを組む場合は融資申込みの手続きに時間がかかる場合も。
ですので、売却しようと活動を始めて、契約から引渡しまですべてが完了するまでの期間は数ヵ月というのが一般的です。
このため、家を売却したお金を他の支払いへ充てる計画のある人や、住み替えを同時進行で考えている人などは、どの時期に売り出すかしっかりとしたスケジュールを立てることが重要です。

 

◆売り出し価格

 

売る側としてはできるだけ高く売りたいと思うものですが、

売出価格が取引相場よりも高すぎると、なかなか買主が見つからず、売却に時間がかかってしまいます。

売り出し価格を決めるには、周辺の相場を知ることが大事です。

 

しかし、不動産に全く同じものはありません。

同じ時期に建った同じ間取りの住宅があったとしても立地によって価格は異なりますし、

マンションの同じ棟でも向きや階数などによって価格が異なるのが普通です。

このため、売出価格をいくらにするかを決めるのは大変難しいものなのです。

 

まずは、信頼できる不動産会社を見つけて、しっかりと査定してもらいましょう。

この時、住宅の価値を下げてしまうような不利な条件(雨漏り・白アリ被害等)もきちんと伝えておかなければなりません。

 

◆売却の時期

不動産の売却は
お任せする不動産会社を決めて、比較的早く買主が見つかったとしてもそれで終わりではありません。

売買代金の受け取りや諸費用の清算に関する手続き、登記に関わる作業があります。

そもそも、買主が決まるまでにも価格交渉があったり、買主が住宅ローンを組む場合は融資申込みの手続きに時間がかかる場合も。

ですので、売却しようと活動を始めて、契約から引渡しまですべてが完了するまでの期間は数ヵ月というのが一般的です。

このため、家を売却したお金を他の支払いへ充てる計画のある人や、住み替えを同時進行で考えている人などは、どの時期に売り出すかしっかりとしたスケジュールを立てることが重要です。

 

◆税金などの諸経費

 

不動産の売却には、仲介手数料・印紙代・測量費用・引っ越し費用などの経費が生じます。

また、売却によって利益が発生した場合には税金(所得税・住民税)もかかってくるので、

これらの費用に関して予め見積もっておくことが大事です。

 

また、借地権付建物を売却する場合は、原則として土地の所有者の承諾が必要となります。

その時、「譲渡承諾料」や「名義変更料」等の支払いを求められる場合もありますので、事前に土地所有者と打ち合わせをしておくことが必要です。

 

諸経費ではありませんが、住宅ローンが残っている場合は、その残額についても把握しておくことが大切です。

住宅ローンを借りているため不動産に抵当権などが設定されている場合、買主にその不動産を引き渡すまで(または引渡しと同時)に、借入金を返済して抵当権を抹消しなければなりません。

(抵当権を残したままで家を売ろうとしても、買主は差し押さえられる危険がある物件を買おうとしませんよね。)

どのように抹消するかは、融資を受けている金融機関と事前に打ち合わせしておきましょう。

 

◆土地の境界線

 

普段の生活では気にしていなかったものの、

いざ売却という時点で問題となることが多いのが「土地の境界」です。

隣の家との境界は塀の内側?外側?それとも中心?

そもそも、塀の位置がいい加減だったり、

お隣との境界を示す境界標(きょうかいひょう)が行方不明になっていたりという事もあいます。

 

その土地に隣接するすべての土地(道路も含む)の所有者と境界点についての確認できてはじめて、

取引する土地の形状と面積が確定することになるので、土地の境界はとても大事です。

境界がはっきりとしない場合には、土地家屋調査士などに依頼して「地積測量図」を作っておくと良いでしょう。

特に道路との境界の確定には時間がかかり、費用も多く必要となるので、

そのことも見込んで資金や売却スケジュールの計画を立てる必要があります。

 

◆売買物件にはどこまで含まれる?

売買契約が成立すると、売主は家の中の物をすべて運び出して、空き家の状態で引き渡しますよね。
でも、建物備え付けのエアコンや照明器具・作り付けの家具は?
庭石や植木は?
これらのすべてを売却対象物に含めるのか、もしくはその一部だけなのか。
売主と買主では認識が異なることがありますし、撤去費用などが別に生じる場合もあるので、
この点も明確にしておくことが必要です。
また、壁に穴が開いている、床に大きなキズが付いているなど、修繕が必要な場合、
現状のままで引き渡すのか、売主が修繕してから引き渡すのかもきちんと決めておかないと、
後々のトラブルの原因になりかねません。

 

まとめ

以上が不動産を売ろうと思ったときに、まず知っておいて欲しい基礎知識です。

不動産売買には、関係する法律など、普段の生活ではなかなか出会わない難しいことも多いと思いますが、

少しの知識を身に着けるだけでも、スムーズに気持ちよく売買ができると思います。

この他の情報もどんどん発信していきますので、

ぜひ、参考にしてみて下さい。