空き家を維持するデメリットについて詳しく解説
様々な事情で、現在住んでいる物件の他にもう一つ空き家を所有していたり、あるいはご本人の意思とは別に法的な所有者になっているというケースもあるでしょう。
多くの場合、空き家はそのまま放置しておいた方が費用もかからなくて楽だと考える方が多いのですが、実は空き家を維持することには様々なデメリットがあります。ここでは空き家を維持することにおけるデメリットについてご紹介していきます。
そもそも空き家の定義とは？
空き家の定義としては、大原則としてその物件に誰も居住していないことがあげられます。
定期的に人の出入りや居住はあるものの、長期間留守にしているだけ、というのは空き家というより、別や別荘という呼び方が適しているでしょう。
なお公的な見地から見る空き家の定義は、国土交通省により、概ね1年以上人の出入りがなく、利用実態のない物件というのが空き家として定義されています。
それらを踏まえてここでは、前提として1年以上の長期間に渡り誰もその物件で居住・滞在しておらず、住民としての登録もない、手入れやメンテナンスの類も一切ない物件を空き家と呼びます。
空き家を維持するデメリットは？
誰も使わず、今後も使う予定のない空き家を維持し続けることにより、さまざまなデメリットが発生します。
ひとまず所有権だけ保有しておき、あとは手をかけずに放置して維持するという方法を取る方も多いもの。しかし、その方法は様々なデメリットが想定されます。ここでは空き家を維持することによって発生するデメリットをいくつかご紹介していきます。
税金による負担増
まず一番大きいものとしては、固定資産税などの各種税金による負担増という部分ではないでしょうか。居住用の物件ではないにも関わらず法的な所有者であれば、その物件においてもストレートに各種税金が発生します。
また、近隣住民及び地域に迷惑をかける・かける可能性のある「危険空き家」に行政側から指定されてしまうと、その所有において税率がアップしたり、また解体などさまざまな部分で費用負担が発生するケースもあります。
物件の資産価値低下リスク
物件を将来的には売却することも検討しているものの、現段階においては空き家として放置してしまっているというケースもあるのではないでしょうか。しかし、これは資産価値の低下リスクを含むことに留意する必要があります。
というのも物件、特に住宅は人がいない空き家になってしまうとそこからどんどん劣化して資産価値が低下し続けてしまいます。状況によっては、劣化するスピードが極めて早くなったことにより、資産価値ゼロの物件になってしまう可能性も否定できません。
そうなると現在の物件を取り壊した上で、土地の価格のみで処分せざるを得ないケースも出てくるでしょう。もちろん、物件取り壊し及び撤去などにかかる費用は多くの場合売主が負担する必要があります。
このように「売り時」を逃してしまうことにより金銭的なリスクがあるということは覚えておく必要があります。そうならないためにも空き家は維持せず早めに売却する方針を固めておくというのも一つの選択肢でしょう。
犯罪に巻き込まれる可能性も？
空き家を放置しているということは、犯罪に巻き込まれるリスクが増加しているのとイコールです。空き家ということは防犯性能が無いに等しい状況であり、場合によっては鍵を壊すなどの行為により不法侵入が容易ということもあるでしょう。
そのため、不審者や犯罪者などが空き家に潜伏し、近隣で凶悪な犯罪を起こすというリスクも否定できないわけです。実際にそういった事例も年々増加傾向にあり、状況によっては行政機関などから空き家の所有者に対して連絡があったり、あるいは何らかの犯罪に巻き込まれ、思わぬトラブルになる可能性もあります。特に所有している空き家が遠方にある場合には現地まで直接足を運ばなければならなくなるケースもあるなど、何かとリスクがつきまといます。
その他空き家を放置していたことにより犯罪事件が発生し、近隣住民および地域に何らかの被害があった場合、民事訴訟で空き家を放置していた所有者が訴えられてしまうというケースも考えられます。こういった予期せぬリスクのことを考えると、空き家を維持することには大きなデメリットがあると言ってよいでしょう。
また状況によっては不法投棄などの温床になることもあり、せっかくの思い出のある住居が地域でも悪名高いゴミ屋敷になってしまうというリスクもあります。こうなるとゴミの処分や撤去費用についても所有者負担を強いられる可能性が極めて高くなるため、要注意です。
まとめ
思い出の詰まった物件だから、親族から相続したものだから、など様々な事情で空き家を維持している方も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、空き家を維持することには様々なデメリットがあり、時にはデメリットではなくリスクが伴ってしまうケースもあります。予期せぬ事態に発展しないためにも、空き家はできる限り速やかに処分するか、空き家ではない状態を作り出すなどの方策が必要です。