分譲マンションでよくあるご近所トラブル~その対処法は?
人里離れた一軒家に住んでいるのではない限り、
誰もが巻き込まれる可能性のある「ご近所トラブル」。
他人同士が一つ屋根の下に住んでいるようなものである集合住宅では、特に発生しやすい傾向にあります。
賃貸なら、引っ越してしまえば良いと軽く考えることも出来ますが、
分譲マンションとなればそうもいきません。
では、実際にどのようなトラブルが起こっているのでしょうか?
その対処法は?
トラブルに巻き込まれないために、マンション購入前にチェックしておきたいポイントも合わせてご紹介します。
こんなことがトラブルの原因に・・・
ご近所トラブルの原因は、最初は些細な問題であることがほとんどです。
「面と向かってクレームをぶつけるのも・・・」
「そのうち気づいてくれるかも・・・」
そんな風に思って我慢しているうちに、だんだんとその行為がエスカレートしていったり、また別の行為が気になってきたり。
その小さな不満やわだかまりが溜まりに溜まって、あるとき爆発してしまうと、
解決の難しい深刻な問題になってしまうこともあります。
トラブルの原因としては、
・騒音
・駐車場のマナー
・ゴミ出し
・玄関・ベランダ・廊下など共用部分の使い方
・タバコのマナー
・ペットのマナー
などがあげられます。
騒音
ご近所トラブルで最も多いのが騒音。
足音や子供の声、楽器の演奏や大音量での音楽の再生音などが、トラブルの原因となるケースが多くありあます。
学生や単身世帯と、ファミリー世帯とでは「騒音」と感じる時間帯が違いますし、
実際に周りの部屋にどのように響いているのか本人が分かっていないというケースもあります。
「壁や天井を叩いて、相手に知らせる」
という手段をとる人もいますが、余計にこじれてしまう事もありますので、
その効果のほどは定かではありません。
騒音は感じた本人の主観によるところもあるので、トイレの水を流す音や床に置いた携帯電話のバイブレーションまで騒音として訴える人もいます。
駐車場のマナー
駐車場のマナーで問題となるのが、
来訪者用の駐車スペースに長時間または頻繁に駐車する住人がいる。
自分の駐車スペースの隣が不在の時に、別の車をとめるなど。
これは、誰から見ても不快ですよね。
では、自分の駐車スペースにバイクや工具などの私物を置くのはどうでしょう?
周りからは「見苦しい」と思われていても、本人は全く気にしていないかもしれません。
「隣の車が、どうも自分の方へ寄りすぎているように思う」というのも、
悪気がない場合がほとんどでしょうが、気になっている方にすれば毎日のストレスになります。
駐車する側の問題以外にも、
駐車場で子供が遊んでいて危険を感じる。ボールなどで車を傷つけないか心配。
といったものもあります。
ゴミ出し
”ゴミ出しの曜日を守らない” ”分別がキチンとされていない”
これも良く聞く問題です。
別の自治体から引っ越したばかりで、ゴミの出し方が良く分かっていなかったということもあるでしょうが、
自分の勝手な都合で「まあ、これくらいなら」「自分一人くらいなら」と、
いい加減な出し方をする人もいるようです。
ゴミは個人情報の宝庫。
ゴミの出し方の悪い人を特定しようと袋を開け、問題になったケースもあります。
玄関前・廊下・ベランダなど共用部分の使い方
マンションの廊下やベランダは、共用部分であり住人の専有ではありません。
”専用の駐輪場があるのに、廊下に自転車を置いている”
”燃えやすい新聞紙や段ボールなどを玄関前に置きっぱなしにしている” などは、
通行の妨げになったり、防犯上の問題となったりします。
ベランダの使用に関するトラブルも多くあります。
ベランダは「専用使用権」は認められていますが共用部分であり、災害の際には廊下と同様避難路となります。
ですから、避難の妨げになるような大量の荷物や植木などを置くことはルール違反です。
また、ベランダでプール遊びをする子供の声や、ベランダに出でしゃべる電話の声がうるさいという苦情もありあます。
でも、ベランダのトラブルで最も多いのはタバコに関することでしょう。
タバコのマナー
家族の健康のためや、ニオイや汚れが付かないようにと、
タバコをベランダで吸う人が多くいます。
しかし、これがトラブルとなるケースが多いのです。
上の階や隣の部屋でタバコを吸わない家庭にとっては、”換気扇や隙間から煙が入ってくる” ”洗濯物に臭いが付く”など、迷惑に感じます。
タバコを吸う側にとっては、”他に吸う場所がない” ”権利の侵害”
と、なるでしょう。
実際、マンションの管理規約では、ベランダの喫煙に関して定めていない場合が多いのです。
ペットのマナー
ペット飼育禁止のマンションでペットを飼うのは言語道断ですが、
ペットを飼育できるマンションでも飼育マナーに関するトラブルというのがありあます。
ニオイや鳴き声がひどい場合は誰にとっても迷惑ですし、
エレベーターの中ではペットを抱きかかえるというのもマナーでしょう。
ペットの飼育が許されたマンションであっても、ペットを飼っていない住人もいますので、
それぞれの認識の差も、トラブルの原因になるのかもしれません。
トラブルへの対処法は?
本人に直接苦情をぶつけるのは、なかなか難しいもの。
今後の関係が気まずくなるのも心配ですよね。
そもそも相手からの過剰なクレームがトラブルのもとになっているということあります。
第三者に仲介してもらった方が、冷静に話が出来る場合もありますので、
まずは、管理会社へ相談してみましょう。
管理会社は、直接本人に注意通達をしたり、管理組合に報告するなどの対処をしてくれるでしょう。
また、市や区など自治体の「生活課」では、隣人・近隣トラブルについての相談も受け付けてくれます。
ただ自治体はあくまでも相談に対する助言をしてくれるだけで、直接対応してくれるわけではありません。
どうしても解決が難しい場合には、近隣トラブルにくわしい弁護士に相談することをおススメします。
警察に相談する場合、まずは「警察相談専用電話#9110」に電話をかけてみましょう。
基本的に警察は事件性がなければ動いてくれませんが、警察相談専用電話では隣人・近隣トラブルなどの相談に応じてくれます。
マンションの購入前にここをチェック!
マンションでの近隣トラブルに巻き込まれないためには、
購入前にそのマンションでトラブルが起きていないか、トラブルが起きる可能性が高くないかチェックすることが大切です。
まずは、ゴミ置き場や駐輪場などの共用部分が適切に利用されているか見てみましょう。
曜日や分別のルールに沿ってゴミが置かれていますか?
ゴミが散乱していませんか?
掃除道具はきちんと整理整頓されていますか?
自転車は乱雑に置かれていませんか?
共用部分を見ると、そのマンションのモラルを知ることができます。
また、どのような世帯が多いかもチェックのポイントです。
小さなお子さんのいるご家庭なら、既存の住人に子供のいる世帯が多ければ、泣き声や足音への許容も広いので安心でしょう。
逆に、静かに暮らしたい人は避けた方がいいかもしれません。
自分の生活スタイルと合った世帯が多く住むマンションを選ぶことが大切です。
終わりに
ご近所トラブルは、自分が被害者にも加害者にもなり得る身近な問題です。
そもそも、ご近所トラブルはなぜ起こるのでしょうか?
それは他者への無関心が原因かもしれません。
ご近所同士の人間関係が希薄になってきている現在、
自分と他人は違うと認識した上で、もう少し他の人の生活にも関心を向けてみる必要があるのではないでしょうか。
他人の行為は許せないが、知っている人なら「まあ、いいか」と思えるという心理もあります。
引っ越し前にはきちんと挨拶をして、ご近所さんと「知り合い」になっておきましょう。
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