売ったらいくら?家の売却相場を解説!不動産価格が変化する要因とは
家を売却するときに確認すべきなのが、周辺エリアの売却相場です。売却相場が上がっているようなら高値での売却が期待できますが、一時的に下がっているようなら売却のタイミングを見直したほうがいいかもしれません。売却価格はその後の生活に影響するため、売却相場には注目しておく必要があるでしょう。
この記事では、2022年9月時点の売却相場を紹介します。また、不動産価格はどういった要因で変化するのかとういう点も解説するので、売却を検討されている方は参考にしてみてください。
家の売却相場
ここでは、5つのエリア(北海道・東京都・愛知県・大阪府・福岡県)の2022年9月の戸建て住宅における売却相場を東日本不動産流通機構の「レインズデータライブラリー」より紹介します。
地域別の不動産売却相場
2022年9月の不動産売買取引時の戸建て住宅における、平均売却価格と平均築年数は以下のとおりです。
エリア | 平均売却価格(万円) | 平均築年数(年) |
---|---|---|
北海道 | 1,910 | 29.14 |
東京都 | 5,583 | 19.59 |
愛知県 | 2,854 | 21.62 |
大阪府 | 2,082 | 29.21 |
福岡県 | 2,403 | 26.32 |
平均売却価格は東京都が飛び抜けて高いことがわかります。また、平均売却価格が高いエリアは平均築年数が低い傾向にあるようです。これは築年数の浅い投資物件が活発に取引されているからだと推測できます。
売却相場の推移
戸建て住宅の1年間の平均売却価格の推移をみてみましょう。直近1年間の推移は売却するタイミングを計る一助となります。
【北海道】
【東京都】
【愛知県】
【大阪府】
【福岡県】
各月でバラツキはあるものの、2022年9月と1年前の2021年9月を比べると、全エリアで平均売却価格は上昇していることがわかります。なお、3年前の2019年9月の各エリアの平均売却価格は以下のとおりです。
エリア | 平均売却価格(万円) | 平均築年数(年) |
---|---|---|
北海道 | 1,373 | 28.77 |
東京都 | 4,493 | 19.63 |
愛知県 | 2,658 | 21.18 |
大阪府 | 1,766 | 27.61 |
福岡県 | 2,089 | 27.61 |
3年前の数字をみると、全エリアとも3年間で平均売却価格が大きく上昇していることがわかります。つまり、ここ数年で売却価格は上がっており、2022年現在もなお、上昇傾向にあるということです。
家の売却相場は自分でも調べられる
家を売却する際には不動産会社に依頼をする必要がありますが、おおよその売却価格であれば不動産会社に査定を依頼しなくとも自分で調べることが可能です。自分で売却想定価格をあらかじめ調べ、そのうえで不動産会社に依頼するという流れであれば、不動産会社の査定額が適正かどうかを把握できます。
ここでは代表的な売却相場の調べ方について、解説します。
路線価から調べる
路線価とは、前面道路の価格です。戸建て住宅を売却する場合、建物そのものよりも土地の価値のほうが高いというケースが多くみられます。そのため、売却価格を把握するうえで、土地の価格を知っておくとよいでしょう。
路線価は国税庁の「路線価図・評価倍率表」で確認できます。路線価が確認できたら、以下の計算式に当てはめて売却価格の目安を算出します。
売却価格の目安=路線価×土地の広さ×1.25
路線価は、公示価格を目安に設定されており、公示価格の80%に理論上なるように設定されます。公示価格と査定価格は近いものと考えられるので、1÷0.8=1.25が掛け合わされることになります。
レインズマーケットインフォメーションを利用する
路線価は計算が複雑化する場合があります。そのため、手軽に調べたい場合はインターネットの情報から推察するようにしましょう。
「レインズマーケットインフォメーション」は、不動産会社しか閲覧できないレインズのデータを、一部一般公開しているサイトです。マンションと戸建て住宅の成約事例を確認でき、査定したい場所でどのくらいの価格帯で売買されたのかを把握できます。
レインズとは違い、価格交渉の推移や販売形態がわからないため表面上の価格帯しか把握できません。しかし、売却を検討し始めた段階である程度のイメージをつける目的であれば十分のサイトでしょう。
不動産ポータルサイトから推測する
SUUMOやアットホームといった不動産ポータルサイトでも、売却価格帯をある程度把握できます。ただし、確認できるのは成約価格ではなく販売価格のみとなります。そのため、売却しようとするエリアにどのような物件があるのかを把握する程度に留めておくようにしましょう。
不動産は隣同士で同じ敷地面積、建物面積であっても販売価格が変わることはよくあります。これは、住宅ローンの残債有無や売主がどの程度の売却益を求めるのかが販売価格に反映されるからです。そのため、不動産ポータルサイトの価格で売却価格を推察する際には、注意が必要です。
知っておきたい。不動産価格が変化する要因
地域全体の価格が変動することは度々ありますが、どのような要因で変動するのかを把握しておくことは重要です。なぜなら、変動要因をあらかじめ加味した販売価格に設定することで、適正価格での売却が可能となるからです。
そのため、以下に挙げる変動要因をしっかりと確認し、売却のタイミングに関与するかどうかを見極めるようにしましょう。
国際イベントによる人口流動
2025年に大阪万博の開催が決定され、大阪府北部の価格は上昇すると予想されています。決定したのは2018年ですが、決定直後からマンションの建築計画や分譲予定地が公開され、不動産取引は活発に行われています。
愛知県の愛・地球博においても、当時山間部だった長久手市が開発され、地価は万博開催後は上昇傾向が続いています。
このように国際イベントによって人口が流入し、不動産価格が上昇する傾向があります。
再開発計画の立案や区画整理の発表
たとえば、大阪府の箕面市は約30年前から再開発が行われ、いまや大規模分譲地区になっています。モノレールの延長工事や小中学校の建設、ショッピングモールの建築は周辺の不動産価格に大きな影響を与えます。
こういった再開発計画や、大阪府や市が行う区画整理事業については完成する数十年前から公表されるため、売却のタイミングを計画的に検討できます。
新型コロナウイルスなどの国際規模の感染症発生
不動産価値は上昇するだけでなく、減少することもあります。昨今の新型コロナウイルスによる購買意欲減少や、働き方の変化による在宅ワークが増加した影響は、とくに戸建て住宅の売買に大きな影響を与えました。
国際イベントや開発計画とは異なり、こういったパンデミックや景気動向は予測ができず、急激に下落するおそれもあります。しかし、急激な価値下落はいつかは停止し、再び経済回復に伴った形で上昇する傾向にあります。
地震などの災害
阪神大震災などの災害が起きた場合でも価値の下落は起きます。ただし、このような災害は日本のどこにでも発生し、ハザードマップや避難所を確認することで一定の安心感を買い手に与えられます。
そのため、売り手として必要以上に心配し、販売価格を相場以下に設定する必要はありません。