日本には古来から季語というものがあります。もともと俳句の世界で使われる言葉ですが、現代では様々な分野・シーンで幅広く使われています。
ここでは春夏秋冬を彩る言葉を織り交ぜつつ、季節を感じさせてくれる季語の世界をご紹介いたします。
季語とは?
季語は元々、平安時代後期から使用されている俳句や連歌などで季節を表すために使用するキーワードです。
現代では俳句の世界で主に使われる印象が強いのではないでしょうか。
テレビ番組でも俳句を取り扱った企画がありますので、お馴染みの方も多いことでしょう。
季語の使いどころ
季語はどのようなところで使うのでしょうか?使いどころを3パターン解説します。
特に一番最後の「挨拶状・お手紙」は現代でも使いどころがたくさんあります。
俳句
本来の目的として使われるのは、俳句の世界です。俳句はルールとして必ず季語を入れることが定められています。
そのため俳句を嗜まれる方は自ずと季語をたくさんご存知です。
ただし現代では「一句詠む」といった機会も失われつつありますので、季語を暗記している方も少なくなってきているのではないでしょうか。
川柳
川柳は、俳句の
- 季語
- 切れ字
といったルールを排除して口語的な5・7・5の歌を作るものです。
しかし季語を入れることも不可ではありませんので、川柳を読む時にも季語を入れるとおしゃれで印象もグッと引き締まります。
【おすすめ】挨拶状・お手紙
最もお勧めできるのが、上記2つのパターンを踏襲して挨拶状やお手紙に季語を盛り込むという方法です。
一例として、お手紙といえばビジネスのテンプレートや例文を使われる方も多いのではないでしょうか。
そこにひとつ、季語を盛り込むことによってテンプレート感を払拭できます。
「紋切り型の手紙ではなく、きちんと自分のことを考えて手紙を書いてくれている」という印象を相手に持ってもらえるでしょう。
春夏秋冬の季語まとめ
ここからは春夏秋冬の季語をまとめていきます。
なお厳密にいえば、季語は四季からさらに細分化されています。
同じ春でも
- 3月初旬に使えるもの
- 4月の中旬に使えるもの
といった具合に細分化されているのですが、ここでは、あくまでも一般的なものとして4つの季節に分類させていただきます。
春の季語
春に使える季語には以下のようなものがあります。
- 山笑ふ
- 伊予柑
- 朧月夜
- 木の芽時
ちなみに意外なところでは、バレンタインも春の季語です。
夏の季語
夏の季語をご紹介いたします。夏の季語として代表的なものは
- 花火
- 海水浴
- 浴衣
- 日傘
などがあります。
しかし夏の季語には特に現代的なキーワードも多く、中には
- プール
- サイダー
- サングラス
- ラジオ体操
などもあります。
秋の季語
秋の季語はどちらかというと食べ物に関するキーワードが多い印象です。具体的には
- 芋煮会
- いちじく(無花果)
- くり(栗)
- しいたけ(椎茸)
などがあります。
ちなみに季節感を表す言葉としては
- 盆休み
- 残暑
- 花火
- 中元(お中元のこと)
- 七夕
といったキーワードが並びます。ここで一つ・・・お気づきでしょうか?
七夕や花火など「夏の季語じゃないの?」と思われるようなキーワードが秋の季語としてカウントされています。
これらのキーワードは厳密にいうと初秋といって立秋から白露の前日までに使える季語なのです。
立秋は2021年の場合、8月7日です。
白露も同様に2021年の場合、9月7日となります。
俳句の季語は気象学的な季節の分類ではなく、二十四節気を元にした季節の分類となります
。
そのため、俳句・季語の世界では8月7日・お盆前にはもう秋というカウントになってしまうのです。
冬の季語
最後に冬の季語をご紹介いたします。
冬の季語はやはり寒さに関連するキーワードが多く、
- 雪
- 初雪
- 霜柱
- 樹氷
- 吹雪
- 寒波
- 北風
- 時雨
- 山眠る
- 冬の水
- こたつ
- ストーブ
- 暖房
- 火鉢
など文字を見ただけで寒さや暖房の暖かさが伝わってくるようなキーワードが並びます。
ちなみに冬の季語に小春日和という言葉があります。
実はこちらは、冬を越えた春に使われる言葉ではありません。
晩秋から初冬、つまり冬に向かい始める頃のわずかな期間に訪れる暖かく穏やかな晴天の日々のことを指します。
正しく使えることにより、周囲からの評価もアップすることでしょう。
【番外編】季語のおすすめまとめ記事
このように季語はビジネス・コミュニケーション全般で使用できる日本特有のキーワードです。そして季語に関連して情報を掲載している記事も、最近ネット上で増えてきました。例えばこちらのサイトでは、春夏秋冬それぞれの季節に分類して記事を掲載しています。
こういったサイトを眺めながら季語やコミュニケーションのあり方を考えるのも、ソーシャルディスタンス・人との関わり方を考えなければならない今の時代に必要なことといえそうです。
まとめ
今回はコミュニケーションやビジネス文書全般でも使用できる日本古来のキーワード・記号についてご紹介いたしました。季節感を文字で表現するのにぴったりですので、メールや文書でのやり取りが増える今日この頃、是非取り入れていただければと思います。