一年の中でも、最も多くの台風が発生する季節が夏と秋です。
そしてこの台風ですが、実は夏の台風と秋の台風で違いがあるのをご存じですか?
どちらも被害が心配ではあるものの、ここではより警戒すべきである秋の台風について、その特徴や備え方、普段から心がけておきたいことなどをご紹介していきます。
秋口は台風シーズン真っ只中!
秋口は、暑い夏が過ぎ去り、爽やかな気候が嬉しい季節ですが、
それと同時に台風シーズン真っ只中という言い方もできます。
実は、夏は台風が発生したとしてもそこまで多く日本に上陸したり急接近するということがありません。
台風とそもそも相反する存在である太平洋高気圧が夏場は日本の太平洋側に広く張り出しており、これによって日本列島が守られているからです。
しかし、これまで頑張ってくれていた夏の太平洋高気圧が弱まってくる秋口。
日本に台風を近づけまいとするバリアのような存在がないわけですから、日本列島に上陸の上、猛威を振るような台風が増えるというわけです。
秋の台風、夏の台風とはどう違う?
秋の台風と夏の台風、
秋口の台風の方が日本列島に上陸または急接近しやすいということがわかりましたが、それ以外に何か違いはあるのでしょうか?
─あります。
実は、台風を夏と秋で比べてみると、秋の台風の方が力強い台風になる傾向にあるのです。
これは、台風のエネルギー源と関係しています。
台風がエネルギーを供給する源は海水ですが、簡単にご説明すると海水温が高ければ高いほど台風のエネルギーが高くなると考えてください。
そして実は海水温そのものが上昇する傾向にあるのは、夏よりも秋なのです。そのため、秋の台風はエネルギーを夏の台風よりも蓄えやすいという性質があります。
また台風の移動スピードについても注目すべきでしょう。
夏の台風は速度が遅くなかなか進みません。
「台風が発生した」という天気予報のニュースを見てから一週間後にやっと日本に少しだけ接近して、すぐに温帯低気圧になってしまった、というケースを見たこともあるのではないでしょうか。
しかし秋の台風はそうでもありません。勢力が強いばかりでなく、風の影響や気圧配置の関係上、発生してから日本列島に近づいてくるスピードが非常に速いのです。
秋の台風が猛威を振るいやすいのは単に勢力が強いことのみならず、このように移動のスピードが非常に速いことから天候が急変し、被害が出やすいという事情があるのです。
【防災】台風シーズンに行っておきたい備えは?
それでは台風シーズンの備えのうち、特に秋口の台風に備えるために行なっておきたいことにはどのようなものがあるでしょうか?
原則的に、秋台風の場合は勢力が強いことから風害や水害に備えをする必要があります。浸水すると通常通りの日常生活が送れなくなる可能性がありますので、ライフラインに関する防災の装備は整えておきましょう。
特に、今回の千葉のような風台風では停電が発生する可能性があります。懐中電灯や、情報を得るためのラジオなどに装備することができる電池も用意しておくとよいでしょう。
また、最新の情報を常に得ておくというのも秋口の台風シーズンには行っておきたいことのひとつです。
なぜかと言うと、先ほどご紹介したとおり秋の台風は移動速度が非常に速く、つい数時間前まで全くの晴天だったにも関わらずいきなり災害級の大雨や暴風にさらされてしまう可能性もあるからです。
特に1時間あたりの雨量が100ミリを超えるような非常に強い雨風にさらされると、方向感覚も失いますし場合によってはその場から移動することもできなくなってしまいます。
ちなみに、ゲリラ豪雨と呼ばれるような大雨については1時間あたりに50ミリから80ミリ程度の雨量とされており、台風で非常に強いものとなると一時間当たり120ミリを超えるような大雨を降らせるものもあります。
このレベルまでくると屋外にいる場合息苦しさを感じるほどになりますので、速やかな避難が必要です。
乗用車であっても、運転することができないほど非常に強い雨風にさらされる可能性があります。そのため、常に最新の情報をキャッチし、台風が接近しているという情報が入った時には安全な屋内に避難するようにしたいところです。
また自動車は屋内ほどではありませんが簡易的な避難スペースとなります。その他、台風被害によって避難所が開設された場合唯一のプライベートスペースは自動車ということも考えられるでしょう。
そのため自動車の中にも数日分の水や非常食、また寝袋や保温グッズなどの物資を普段から常備しておくというのも良いですね。
まとめ
夏の台風よりも秋口の台風の方が勢力は強く、またスピードもあることから被害を受けやすい台風ということができます。
今回ご紹介したような備えをもとに、安全に過ごせるように日頃から防災について意識を持つということが重要です。
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