250年の歴史に癒される「ゆくるカフェ」|地域ai
『地域ai』は、地域で愛されるお店を紹介するページです。
直接お店に伺って、お店の方の声やお店の雰囲気を取材。
周辺の情報も併せて紹介していますので、記事を読んでこの地域のことをちょっぴり ”ai” していただけたらいいなぁと思っています。
<2018年9月26日取材>
ゆくるカフェ
~古民家『茶吉庵(ちゃきちあん)』~
「ゆくるカフェ」があるのは、築250年の古民家『茶吉庵』です。
江戸時代は、八尾で生産が盛んだった河内木綿の問屋さん「茶屋吉兵衛」として、
明治時代は地元の名士が担うこととなっている郵便局として使われてきました。
そんな歴史ある建物を後世に残し、たくさんの人が集まれる地域の憩いの場にしたいと、
19代当主の萩原浩司さんを中心に始まったのが、八尾古民家再生『茶吉庵』プロジェクト。
現在はイベントスペースと、工房「kitoutsuwa」、そして「ゆくるカフェ」がオープン。
今後、更にテナントを増やし、20年かけて『茶吉庵』を再生させていく計画だそうです。
~『ゆくるカフェ』のお2人~
「ゆくるカフェ」のオーナー、りこさんと さくらいじゅんさんは2人とも音楽家。
さくらいじゅんさんは児童音楽「おひさま楽団」のメンバーとして長年活動されており、ギターやウクレレの指導もされています。
そして、りこさんは三線の奏者。
「古民家で、自分たちのすきな音楽をしながらカフェができたらいいよね。」
5年先か、10年先か、15年先か、まだ先の将来の夢としてそんな思いを抱いていたお二人でしたが・・・
2018年1月、たまたま誘われて参加した「八尾ファンミーティング」という集まりで、
さくらいじゅんさんが、いつものように古民家カフェの夢を語っていると、
「カフェのオーナーをさがしてます」と手を挙げる人物が。
それが、『茶吉庵』の萩原浩司さんでした。
~”ゆくる” カフェ~
海が大好きなりこさんは小笠原諸島や、
沖縄の離島、八重山諸島や石垣島へよく訪れていました。
そんなあるとき、庭先で三線を弾いているおじいに遭遇。
ゆったりと足を組んで、誰に聴かせるでもなく自然のまま弾いている光景がとてもすてきで、
「あ、こんなんしたい。って思って、それが三線との出会い。」
「弾かなアカン じゃないんですよ。」
「世の中、やらなければ、しなければとかがすごい多いじゃないですか。
そうじゃない、ゆったりできる空間とか自由にできる空間。(が欲しい)」
「都会って、お店に入っててお客さんがいっぱい来たら、あ、どかなあかんわ、はやく帰らんとって思いますよね。
たぶんここに来たみんながすごくゆっくりして下さるのは、そういうのとかけはなされてしまう空間だから。」
お店の名前の「ゆくる」は、沖縄の言葉で「ゆっくりする」「休む」という意味です。
~『ゆくるカフェ』のメニュー~
この日の「ゆくるカフェ」のランチメニューは、
・きまぐれランチ
・赤ワインの煮込みハンバーグ
・ほろほろチキンのゆくるカレー
・ひよこ豆のキーマカレー の4種類。
この日のきまぐれランチは「鶏ももレモン蒸し・にんじんしりしり」がメインでした。
ボリュームのある鶏のもも肉を塩とレモンであっさりと。
添えてある すだち を絞ると、また違った風味が楽しめます。
赤ワインの煮込みハンバーグは赤ワインのいい香り♪
お肉はふんわりジューシー。
スプーンが付いてくるので、ソースもすべていただけます。
ランチの値段は、メインのお料理に雑穀米・サラダ・焼き野菜・パプリカのピクルスが付いて900円♪
ドリンクとのセットは1200円です。
どのお料理も、もちろん化学調味料を使ったりはせず、素材の持ち味を活かした優しい味付け。
食材は出来るだけ地元のものを使おうと、
JAの直売所「畑のつづき」でお買い物されることが多いのだそうです。
スイーツも食べちゃいました!
ヨーグルトから手作りのヨーグルトババロア
軽い口当たりのヨーグルトムースに、フルーツソースとドライベリーのアクセント。
チョコレートケーキ(小麦粉不使用)
たっぷりの卵でふんわりと仕上げたスフレのようなチョコレートケーキです。
下の方に入ったナッツの食感も楽しい♪
りこさん:「甘いのが好きな人にはかなり心もとないスイーツです。」
確かに甘さはかなり控えめですが、素材本来の風味がしっかりと感じられ、食べ応えは充分。
それに、これなら罪悪感なく食べられるかも?!
メニューはもう一つ、気まぐれスイーツ(この日はチーズタルトでした)があり、
手作りのスイーツはどれも500円。
ドリンクとセットで800円です。
3つの味が選べる300円のソフトクリームもあり、
近所のおじいちゃまが、ソフトクリームを目当てに来店されるんですって。
「ゆくるカフェ」のドリンクメニューは、コーヒーやソフトドリンクが400円~450円。
これがなんと、2杯目からは300円なんです!
どこまでも、ゆっくりまったりしたい人の味方なんですね~。
(アルコール類は500円です。)
コーヒーは築250年の古民家をイメージしてブレンド・焙煎してもらったオリジナルのゆくるブレンド。
マイルドとハードがあり、酸味が少なくコクのある味わいです。
心も身体もすっきりデトックスハーブティー
ハーブコーディネーターでもあるりこさんが、5種類のハーブをブレンド。
香りをかぐだけでも、スーッと心が澄んでくるようです。
自家製黒糖ジンジャーエール
数種類のスパイスと黒糖を使った自家製のジンジャーエールです。
この日の黒糖は徳之島産。
その前は喜界島産で、黒糖の産地によって風味が違うそうですよ。
店内で自由に飲めるハーブウォーターも
気まぐれでハーブの種類が変わります♪
(※メニューは取材時のものです)
~『ゆくるカフェ』の器 河内焼~
「全部市販の器ではなくて、一部だけでも八尾と縁があるような陶器とか使えたらいいね」
そんな話をされていた矢先、
『茶吉庵』の萩原さんが、河内焼作家宮嵜剣水さんに陶芸教室をしてもらえないかと頼みに行くことに。
萩原さん:「一緒にいくか?」
りこさん:「行きます!!」
と、即答。
工房で見せてもらった器の手触りに、「こんなんがいい!」と惚れ込み、
娘の宮嵜なおさんに、ゆくるカフェオリジナルの器を作ってもらったそうです。
~仲間と作る『ゆくるカフェ』~
築250年の重厚な柱や梁に囲まれ、上へと広がる空間が開放的な『ゆくるカフェ』
初めて見に来た時のこの場所は、まだ、手つかずの古いままの建物でした。
「きっと天井抜いたら、りっぱな梁が出てくるんやろね」「あぁいい雰囲気やな」と、
まずは自分たちで壁をブチ抜き、床板をはがすところから「ゆくるカフェ」作りがスタート!
2階の天井を抜いたり、内装を仕上げたりしたのは、土日はハワイアン音楽奏者の工務店さん。
1枚板のローテーブルや椅子を作ったのは大工さん兼ミュージシャン。
玄関の戸は、「自分とこ建具やなあ?」「それが本業や。」と、こちらも音楽仲間。
ギターの生徒さんから貰ったものがあったり、
さくらいさん:「ほぼほぼ、なんか、仲間ですねぇ(笑)」「全部知り合いで繋がっていってるんです」
1枚板のカウンターテーブルは、元たこ焼き屋さんのものを友人から譲り受けて。
天井からつるされている照明は『茶吉庵』にあった糸巻きをリメイク。
キッチンカウンターの天板は、郵便局だった時に使われていたものをそのまま利用。
昭和初期からの窓も元のまま残しています。
こだわったポイントは?と聞かれても、
「たくさんあり過ぎて答えられません!」
~『ゆくるカフェ』のお客さん~
最初に取材させて頂いた日は6人と3人の女性グループ。
次に伺った日は、男性1人や2人組など、男性の姿を多くみかけました。
1人や2人でふらっと来て、のんびり物書きをしたり、静かにゆっくりと過ごされる方も多いのだとか。
りこさん:「たぶん、みんな癒されたいんですよね。来はる人は。
この場所に癒されて、飲み物とかに癒されて。」
「もともとは、”自分たちが”くつろげる場所が欲しかったんです(笑)。」
~ちょっと先の『ゆくるカフェ』~
夜に明かりを見つけたお客さんが
「え?何?空いてんの?」
と、ふらりと入ってきて、生の音楽とお酒を楽しむ・・・。
ゆくゆくは、そんなこともしたいと語るお2人。
ただそれは、周りの人たちから「やらへんの?」って声が増えてきたら、
「しゃーないな、やろか」ってタイミングで。
皆さまから受け入れてもらえる時期になってからだそうです。
~ゆくるカフェの詳細~
【住所】大阪府八尾市恩智中町3丁目1
【Googleマップ】https://goo.gl/maps/i9HVWcSWymp8jNNNA
【電話番号】090-3051-4426(予約専用)
※「せっかく来たのに入れない」となると残念なので、遠方よりお越しの方は是非ご予約を♪
【営業時間】11時~17時
【お休み】不定休 ※お店のカレンダーか、フェイスブックでご確認下さい。
【フェイスブック】ゆくるカフェ@yukurucafe
【駐車場】公共交通をご利用下さい。
【アクセス】近鉄大阪線 「 恩智駅」より 徒歩9分(約660m)
国道170号(東高野街道)と府道15号の交差点、恩智神社鳥居の向かい。
八尾・恩智は住みよい街
4月に高槻から八尾へ引っ越してきて、まだあまり周辺のことが分からないというりこさんですが、
一度、近くの『恩智神社』へ行ってみたそうです。
「ゆくるカフェ」の目の前にある鳥居をくぐって、山のほうへ。
途中で寄り道した『恩智城址公園』はいい眺め♪
しばらく歩くと目の前に130段もある石段が!
階段を頑張って上ると、勇壮な「恩智祭り」で知られる『恩智神社』にたどり着きます。
「うん、いい感じ」
縁結びの神様でもあるので、女性にはおススメだそうですよ。
八尾市には他にも古い建物や昔の街並みが残っている場所が多くあります。
久宝寺の『寺内町』も散策してみて下さい。
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