2018年度の税制改正”不動産に関わる税金”はどう変わる?
自民・公明の与党が2018年度の税制改正大綱を決定しました。
所得税改革での「基礎控除の引き上げ」「給与所得控除の減額」がクローズアップされていますが、
住宅購入などに関する改正も含まれています。
今回の大綱に盛り込まれた住宅関連の税制改正は
既存の特例などの期限延長がほとんどですが、
そもそもどのような特例であったのかも含め
詳しく見てみましょう。
(※税制改正大綱は、ほぼ大綱の内容通りに改正されるのが通例ですが、あくまで与党による税制改正“案”ですので、一部項目の修正・削除・追加などが行われる可能性があります。)
新築住宅にかかる固定資産税の特例
新築住宅の固定資産税の特例措置が2年間延長され、2020年3月31日までとなります。
新築住宅にかかる固定資産税の特例措置
新築住宅の建物分の固定資産税を、一戸建ては3年間、マンションは5年間、2分の1に減額するというもの。
国土交通省によると、2000万円の一戸建てを新築した場合の固定資産税が、減額措置によって3年間で約26万円軽減されるという試算が出されています。
長期優良住宅の特例
長期優良住宅に対する特例措置が2年間延長され、2020年3月31日までとなります。
長期優良住宅に対する特例措置
長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態で住み続けるために、耐久性や耐震性、省エネ性、維持管理のしやすさなどの基準を満たす住宅を認定する制度です。
認定された住宅は購入時の登録免許税や不動産取得税、新築時から一定期間の固定資産税が一般住宅よりもさらに軽減されます。
・登録免許税:税率を一般住宅の特例よりもさらに引き下げる。
所有権保存登記 本則0.4%→一般住宅0.15%→長期優良住宅0.1%
所有権移転登記 本則2.0%→一般住宅0.3%→長期優良住宅(戸建て住宅 0.2%、中高層住宅 0.1%)
・不動産取得税:課税標準からの控除額を一般住宅の特例よりも増額する。
1,200万円→1,300万円
・固定資産税:1/2の軽減期間を一般住宅特例よりも延長する。
戸建て住宅 一般住宅3年→長期優良住宅5年
中高層住宅 一般住宅5年→長期優良住宅7年
一定の性能向上リフォームを行った場合の固定資産税の特例
一定の性能向上リフォームを行った場合の固定資産税の特例措置が2年間延長され、2020年3月31日までとなります。
一定の性能向上リフォームを行った場合の固定資産税の特例措置
耐震改修の場合は2分の1が、バリアフリー改修や省エネ改修の場合は3分の1が、長期優良住宅化改修の場合は3分の2が、それぞれ工事の翌年度の固定資産税から減額されます。
買取再販にかかる登録免許税の特例
買取再販に関わる登録免許税の特例措置が2年間延長され、2020年3月31日までとなります。
買取再販にかかる登録免許税の特例措置
不動産会社が中古住宅を買い取ってリフォームをした上で販売する「買取再販」において、省エネや耐震、バリアフリーなど一定のリフォームを行った住宅を買うと建物分の登録免許税が通常の3分の1に軽減されます。
土地購入にかかる不動産取得税の特例
土地購入にかかる不動産取得税の特例措置が3年間延長され、2021年3月31日までとなります。
土地購入にかかる不動産取得税の特例措置
税額を計算する際の評価額を2分の1にしたり、税率を本則の4%から3%に軽減する特例措置がとられています。
不動産取得にかかる印紙税の特例
不動産取得にかかる印紙税の特例措置が2年間延長され、2020年3月31日までとなります。
不動産取得にかかる印紙税の特例措置
不動産を買うときの売買契約書や、住宅を建てるときの工事請負契約書に貼る印紙税は、特例措置により軽減されています。
例えば契約金額が1000万円超5000万円以下の場合の印紙税は本則では2万円ですが、特例で1万円となっています。
マイホームの買い替えなどに関する特例
マイホームの買い替えなどに関する特例措置が2年間延長され、2019年12月31日までとなります。
買換え特例
不動産を売って売却益(譲渡所得)が出た場合、所得税や住民税がかかりますが、自宅を買い替えた場合は売却益がなかったものとして次に買い替えるまで課税を繰り延べられる特例です。
譲渡損失の繰越控除
自宅の買い替えのために不動産を売って売却損が出た場合、最長4年間は所得から繰り越して相殺できる特例です。
終わりに
税制の改正はたびたび行われています。
「消費税」などの身近なもの以外にも様々な「税」があり、
特例で減額されているものも、期限が来れば通常に戻るかも。
不動産の購入を考えている方は、不動産に関わる税金についても知っているといいですね。
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