省エネ住宅~光熱費の削減だけじゃない大事なこと~
2018年度の税制改正大綱により
”長期優良住宅に認定された住宅の登録免許税や不動産取得税、固定資産税が軽減される”
という特例措置の期限が2020年3月31日まで延長される見通しとなりました。
また、不動産会社が中古住宅を買い取ってリフォームをした上で販売する「買取再販」について、
”耐震や省エネ、バリアフリーなど一定のリフォームを行った住宅を買うと建物分の登録免許税が通常の3分の1に軽減される”
この特例の期限も、2020年3月31日まで2年間延長されます。
このように性能の高い住宅には様々な優遇制度があります。
今特に注目されるのが「省エネルギー性能」。
省エネ基準が完全施行され、2020年には一般の住宅でも義務化されることになっています。
全期間固定型の住宅ローンの【フラット35】が利用できる条件にも省エネ性能が盛り込まれているんですよ。
2020年 省エネルギー基準の義務化
建物を建てる際には、「耐震基準」を守る義務があることはご存じですよね。
では「省エネルギー基準」は?
実は今まで、省エネ基準は義務化されていませんでした。
つまり全くの無断熱の家でも合法なのです。
これが、2015年4月1日からは新たな省エネ基準が完全施行されることになりました。
ただし、現時点では強制力がなく、すべての新築住宅における「義務化」は2020年をめどに実施される予定となっています。
(住宅性能表示制度における「等級4」をクリアしなくてはならない)
省エネ基準
「省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)」により1980年に省エネ基準が設けられました。(旧省エネ基準)
その後1992年の改定(新省エネ基準)、1999年の改定(次世代省エネ基準)を経て、
2013年の改定では、これまで外皮(外壁や屋根、天井、床、窓などの住宅を包む部分)の断熱性能に関する基準のみであったところへ
冷暖房設備や給湯器、照明など住宅全体で消費するエネルギーの量を総合的に評価できるように「一次エネルギー消費量」の基準が追加されました。(改正省エネ基準)
ちなみに耐震基準は・・・
耐震基準の話でよく取り上げられるのが
1981年6月以降に建てられたかどうかですよね。
1981年以降の耐震基準を「新耐震基準」と言いますが、
意外と知られていないのが2000年6月から始まった「新・新耐震基準」。
・地盤調査の規定
・地耐力に応じた基礎構造
・耐震壁の配置バランス
・筋かい金物使用の規定
など、耐震制度の強化が行われました。
中古住宅を購入する際には、2000年以降に建てられたかどうかも
判断基準に加えるといいでしょう。
フラット35の特典
全期間固定型の住宅ローンの【フラット35】が利用できる条件には
少なくとも1980年の省エネ基準の断熱性能を満たしていることが求められます。
さらに、2013年の省エネ基準(断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4)を満たしていれば【フラット35】SのBプラン(当初5年間、金利が0.3%引き下げられる)が利用でき、
一次エネルギー消費量等級5であれば、【フラット35】SのAプラン(当初10年間、金利が0.3%引き下げられる)が利用できます。
(※ SのBプラン・SのAプランは省エネ性能を満たしていなくても、バリアフリー性や耐震性など他の要件を満たすことで適用されます。)
資産価値
建てた当初は合法であったが、現在の基準では違法建築となる建物を
「既存不適格」と言います。
省エネ基準は今現在「義務」ではありませんが、
基準を満たしていない住宅は将来「既存不適格住宅」になります。
そうすると、財産としての価値はガクッと下がってしまうでしょう。
ずっと自分で住むつもりで建てた住宅でも、環境の変化で売却することになるかもしれません。
また、住宅を担保に融資を受けようということも。
そんな時、建てて数年の家の価値がものすごく下がっているようでは辛いですよね。
将来の資産価値という観点からも、省エネ基準を満たすことは重要なのです。
まとめ
省エネ性・耐震性など、建物の性能を高めるには
ある程度のコストの負担が必要です。
しかし、耐震性を高めることで家族や建物を守り、
省エネ性を高めることで、光熱費を抑え環境に配慮することもできます。
様々な優遇措置があったり、将来の資産価値を維持することもできます。
そう思えば、住宅の機能を高めることは必要な出費と言えるのではないでしょうか。
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